|
第二十四章 真鍮版からの聖文、つづき。イザヤ書第十四章と比較せよ。 主はヤコブを憐みイスラエルをやがては選んで、これを各々その受け嗣ぎの地に帰しておきたもう、そして、よその国の者たちもこれに加わってヤコブの家に列る。
|
|
もろもろの民はイスラエル人を遠く世界の端からその受け嗣ぎの地へつれて行くから、イスラエル人はその約束の地へ帰ることができてイスラエルの家はその地を自分たちのものにし、主の地はしもべはしためたちのために備えられる。これによってイスラエルの家はさきに自分たちをとりこにしたものをとりことし、さきに自分たちをしいたげたものを司どる。
|
|
その時主は汝らの悲しみと恐れとを取り去り、また汝らが務めた奴隷の苦しいつとめをまぬかれさせて安息を与えたもう。
|
|
汝らはその時にまたバビロンの王に対して次の言葉を告げて言う。ああ、しいたげる者は亡びたか。黄金の都も亡びたか。
|
|
主は悪人の杖と治める者たちのしゃくを折りたもうた。
|
|
憤ってはたえずその民を打ち、怒ってその国を治めた者は今責められるがだれもその責めを止めることができない。
|
|
いま全世界は休んでおだやかになり、歌を唱いはじめる。
|
|
まことに、もみの木は汝の亡びたのを喜び、レバノンの杉の木も喜んで言う。汝が亡ぼされてからわれらを切りに来るきこりはなかったと。
|
|
下にある地獄は汝のことによって感じ、汝の来るのを迎えるために、全世界の今は亡い英雄をみな呼び起し、すでに国々の王たちをその王座から起ち上らせた。
|
|
かれらはみな汝に告げて言う。汝もまたわれらのように弱くなったか。汝もまたわれと同じようになったのか。
|
|
汝のはなやかな姿は墓に葬られ、汝の胡弓の音はたえて聞こえず、うじは汝の下にしかれ、また汝の上も覆う。
|
|
暁の子ルシフェルよ。ああ、汝は天から堕ちたのか。もろもろの国を弱めた者よ、ああ汝は今地に切り落されたのか。
|
|
これは汝がさきに心の中でわれは天にのぼり、わが座を神の星よりも高くし、北の方にある会衆の山に座し
|
|
雲よりも高く昇り、いと高き者の如くなろうと言ったからである。
|
|
しかしながら、汝は地獄に落されあなの底になげ落される。
|
|
汝を見る者はつらつらと汝を見、汝を心に留めて言う。この人が世をおののかせ、国々をふるわせ、
|
|
世界を荒野のようにし、もろもろの町を破壊し、捕えたもののひとやを開かなかった者であるか。
|
|
もろもろの国の王はことごとくみなその家に在って尊い有様で眠る。
|
|
しかし汝は忌みきらわれる枝のように、またつるぎで刺し殺されて穴の底に入れられた者の余類のように、自分の墓から追い出される。まるで足の下にふみにじられる屍のようである。
|
|
汝は自分の国を亡ぼし自分の民を殺したから、国々の王たちのようには葬れない。悪を行う者の子孫はいつまでも名誉を得ることができないのである。
|
|
すでに先祖が罪悪を犯したからその子孫が起って国を受けつがず、都会で世界の表面を満たさないようにこれを殺す備えをせよ。
|
|
万軍の主は言いたもう。われはこれに逆らって立ち、バビロンからその名とその残っている者とその息子とその甥とを亡ぼしてしまう。
|
|
われはバビロンをさんかのごいの巣とし水たまりとし、またほろびのほうきでこれをはこう。これ万軍の主の言葉である。
|
|
万軍の主は誓って言いたもう。わが志したこれは必ず成り、わが定めたことはなからず起る。
|
|
すなわち、われはアッスリヤ人をわが地に来させ、わが山の上でこれをふみにじろう。ここに於て、アッスリヤ人のかけたくびきはイスラエル人から取り去られ、アッスリヤの加えた重荷はイスラエル人の肩から取り去られる。
|
|
これはすなわち全世界に行おうと定めたことであって、これは万国の上に伸される手である。
|
|
万軍の主が定めたもうたから、だれ一人これを取り消すことができない。万軍の主の御手は伸された。だれがこれをおし返すことができようか。
|
|
今話した苦難はアハズ王の死んだ年にあった。
|
|
パレスチナの全国よ、汝を打った者の棒が折れたとて喜んではならない。それは蛇の根からまむしが出、その実が飛びかける火の蛇となるからである。
|
|
貧しい者の初子は食物を得、乏しい者は安らかに眠れる。されどわれは飢饉を以て汝らの根を枯らし、かれは汝らの残りの子孫を殺す。
|
|
門よ、泣き叫べ、都会よ泣け。パレスチナの全国よ、汝はすでにつぶれた。煙が北からでてきた。亡びるはずの時にはだれも独り居る者がないからである。
|
|
それであるから、国々に行く使者たちは何と答えたらよいか。主がシオンを建てたもうたからその民の貧しい者はシオンに頼ることができると答えよう。
|