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2024年3月29日(金) 通読(本日=エレ27-31,知18,クル-35回 明日=マコ15-16,1イミ18,クル-36回)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕アルマ書 第60章
第60章
モロナイ、再びペホーランに手紙を出す。政府の怠慢を訴える。報復の危険があるため直ちに救援を求める。

そこでモロナイは、再び全国の統治者ペホーランに手紙を出して言った「われはゼラヘムラ市に居る全国の大判事統治者ペホーランと、この民に選ばれてこの戦争を指揮する参謀にされた人々とにこの手紙を出す。
見よ、われは汝らを責めるることがある。汝らは兵を召集して剣や太刀やそのほかあらゆる武器を執らせ、レーマン人がわが国に侵入してくる所へつかわしてレーマン人と戦わせる地位に任命されていることを自分で知っているはずである。
われとわが兵とヒラマンとその兵とは非常な困難に逢い、飢え渇き疲労などあらゆる苦痛をなめた。
しかし、これだけであったならば、われわれは呟やきもせずまた不平も鳴らさないが、
わが国の民が受けた殺戮はまことにおそろしく大きなものであって、剣に倒れた民は幾千人にも及んでいる。汝らがもしもわが軍に十分の援兵と食糧とを送ったならば、このような悲しいことにはならならかったであろうものを。汝らがわれらをかまってくれないことは実に甚しい。
何故汝らはこのように甚しく怠慢であったか、また何故このように不注意であったか、そのわけを知りたい。
汝らの敵が汝らのまわりに殺戮をほしいままにして汝ら同国人を幾千人も殺しているのに、汝らは考えもせずぼんやりと安座しておれると思うか。
殺された同国人らは汝らが保護してくれると信じていた。実際、かれらは自分らを救うことのできる地位に汝らを立てた。従って汝らはかれらに加勢をするよう、またかれらの幾千人が剣に倒れないよう、援兵を送ることもできたのである。
また、これだけではない。汝らが食糧を送らなかったので、多くの者たちはこの国の民の福利を切に望んで自らの血と命とをぎせいにして戦った。これは皆汝らが甚しくかれらをかまいつけなかったので、飢死をするばかりの時にしたのである。
わが愛する兄弟らよ。汝らはわれらから愛せられなくてはならぬから、この国の民の福利と自由とのためにいよいよはげんで熱心に勤めなくてはならなかった。この国の民をかまいつけなかったから、幾千人もの人が死んだ責任は汝らが受けて讐を返されるであろう。それは、かれらの歎願と艱難とを神が知りたもうからである。
見よ、汝らはただ安座していて何もしなくとも、神の厚い恵みによって救われ守られると考えることができるか。もしもこのように考えているならば、それはむだな考えである。
汝らは同じ国の民がかほどに多く殺されたのを見て、それはかれらが悪いことをしたからだと考えるか。もしそのように考えているならば、それはむだな考えである。はっきりと言うが、剣に倒れた者は多い。それらすべて汝らに罪のあることを証明する。
主はその正義と裁きとを悪人に受けさせるために義しい者が殺されることを許したもう。それであるから、義しい者が殺されたとてかれらが全く亡びてなくなったと思うべきではない。見よ、かれらはその神である主の安息に入るのである。
われはまた汝らに言うが、われはこの国の民の甚しい怠慢、実際は政府の怠慢とすでに殺された同じ国の民を甚しく心にかけなかったことのために、神の裁きがこの国の民の上に下りはしないかと非常に恐れている。
国の政事を行う首脳者から始まった悪事さえなかったならば、われらは少しも敵に負けないように防ぐことができたであろう。
もしも内乱が国民の中に起らず、また国民の中に甚しい流血をひき起した王政党がなく、王政党の人々がわれらを支配する権威を貪らず、またわれらに対して武器をとってあの甚しい流血をひき起さず、もしも自由の道に忠誠をつくしてわれらと共に一致して敵に向って進み、またあの内乱が起らずにわれらが平生のように互いに力を合せ、主の下さる力を以て敵に当ったならば、われらは必ず敵を追い退けたにちがいない。なぜならば、このように一致して戦ったならよろずの事は主の御言葉の通りになるからである。
ところが今やレーマン人はわれらに迫ってきてわれらの地をかすめとり、剣でわが民を殺し、女子供の命さえも許さず、また民を捕えてよそへ連れて行き、そのとりこにあらゆる苦しみを与える。見よ、これはみな権威を貪るあの王政党が犯す大きな罪悪の結果である。
しかし、われらはこのことについて多くを言う筋合はない。汝らもまた自ら権力を貪っていないこと、また国賊でないことを誰が知ろう。
汝らがわれらのことをかまいつけず食糧を送らずまたわが軍に加勢をする援兵を送らないのは、汝らが国の中心に居って身のまわりが安全であるためであるか。
汝らは自分の神である主の命令を忘れているか。われらの先祖が束縛されたことを忘れているか。われらがたびたび敵の手から救われたことを忘れているか。
汝らは、われらが安座して何もせず主がわれらのために備えたもうた手段を使わない間にも主がわれらを救いたもうと思うか。
国境では幾千の民が剣に傷つき血塗れになって倒れているのに、汝らは幾千幾万の怠け者と共に何もせずに怠けていようとするのか。
汝らが何もせずにだた安座してこの有様を見ているときに、神は汝らを罪がない者になしたもうと思うか。いや、そうではない。神は『まず器の内部を清潔にして、その後器の外側も清潔にせよ』と仰せになった。汝らはこの言葉を忘れないで欲しい。
見よ、汝らがこれまでにしたことを悔い改め、心を奮い起してはげみ、われらへもヒラマンへも食糧と援兵とを送り、これによってヒラマンがすでに取り返して守っている地を固く守らせ、また国のこちらの方でもまだとり返していないわれらの所有地をとり返させないならば、われらはまず内部すなわち国の政府を清潔にするまではレーマン人との戦を止めなくてはならない。
汝らがもしわが手紙で要求することに応ぜず、奮い起って真の自由心があることをわれに証明せず、われらの軍を加勢強化する努力をせず、兵を養う食糧を出さないならば、見よ、われはこの地方を守るために自由党であるわが軍の一部をここにのこしておいて、兵に神の御力と祝福とを授け、われらに反対する者の策と力とを空しくしよう。
神の御力と祝福とを授けるは、兵が熱い信仰と艱難に堪える力を得るためである。
それからわれは汝らに向って進軍をする。汝らの中でもし自由を求める者または自由の精神が少しでものこっている者があるならば、われは汝らの中に謀叛を起させて、権威を奪いとろうとする者が一人もなくなるまで謀叛をつづけさせるであろう。
見よ、われは汝らの権能も勢もおそれない。わが畏れるのはただわが神だけである。われが国を守るために武器を執るのは神の命令に服従しようと思う心から出ている。しかるに、われらがこのように損害を受けるのは汝らが罪悪を犯すためである。
見よ、正義の剣は汝らの上にかかっているから、汝らがもし自分の国と国の子供とを保護する努力をしないなら、その剣が落ちてきてことごとく汝らを亡ぼす時がすでに来ている。
今われは汝らから救援の来るのを待っている。それで汝らがもしもわれらを助けないならば、われは汝らが居るゼラヘムラへ軍を進めて剣で汝らを撃ち、この国の民がその自由のために戦う戦の運びをこれ以上汝らが妨げる力を断じてなくしてしまおう。
主は汝らが生きて悪事を犯しながらますます悪くなり、主の義しい民を亡ぼすことを許したまわない。
レーマン人の怨みはその先祖の言伝えから生じ、それからわれらと別れた者たちのためにまたさらに烈しくなったが、汝らの悪事は名誉と浮世の空しいものとを貪る心から起る。それであって、主が汝らを助けレーマン人に裁きを下したもうと考えられるか。
汝らは神の律法に背き、これを足の下にふみつけていることを自分でよく知っている。見よ、主はわれに仰せになった『汝らが統治者として立てたる人々その罪と悪事とを悔い改めずば、汝は軍を進めてこれと戦え』と。
見よ、われモロナイはわが神の命令に服従すると言う誓約を守らなくてはならない。それであるから、汝らは神の御言葉に服従し、われにもヒラマンにも早く食糧と援兵とを送ってもらいたい。
汝らがもしもこのようにしないならば、われは速に軍を出して汝らを攻める。神はわれらが飢死をするのを許したまわないから、やむを得なければ剣の力を以てしても汝らの食糧の幾分かをわれらに与えたもうにちがいない。それであるから、慎んで神の御言葉を守れ。
われは汝らの国の軍の司令長官モロナイである。われは権力を求めず、かえってこれをうち破ろうとしている。われはまた浮世の名誉を求めず、わが神に栄光のあることを求め、またわが国の自由と福利とを求めている。これでこの手紙の結びとする」と。

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