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【旧約各書解説コース】

士師記


  1. タイトル

     (*)は「真理子のおまけ」を含む。
     


  2. 文字数など
    全 21章 618節
    日本語……口語訳(*) 130846文字 新共同訳(*) 117753文字 新改訳 129168文字 文語訳 111493文字
    ヘブライ語……BHS 8774語 現ヘブ 9885語
    ギリシア語……ネストレ・アーラント+七十人訳 15946語
    ラテン語……ヴルガタ 12626語
    英語……KJV 18963語 WEB 18159語
    ドイツ語……ルター1545年 19640語
    韓国語……改訳ハングル 10946語
    中国語……和合本繁体字 72847文字
    (*)は「真理子のおまけ」を含む。語数はスペースの数だけで数えているので、ヘブライ語および韓国語では「語数」とはいえない。
     


  3. 朗読時間
    日本語……新共同訳 1時間23分7秒


  4. あらすじ
    士:1(カナンの征服)ヨシュアの死後、ユダたちはカナンを攻めて征服しました。
    士:2(士師の時代)ヨシュアの死後、主は士師をたててイスラエルの人々を敵から守りましたが、民は堕落したびたび他の神々に仕えました。
    士:3(オテニエル、エホデ、シャムガル)エホデは巧妙な計略でモアブ王エグロンを殺しました
    士:4(デボラとバラク)女預言者デボラはバラクとともにカナン王ヤビンの将軍シセラを攻撃。シセラはケニびと(カイン人)ヘベルの妻ヤエルの天幕に逃げましたが、ヤエルに殺されてしまいました。
    士:5(デボラの歌)デボラとバラクの勝利の歌です。
    士:6(ギデオン)主はしるしを示しながらギデオンを召命し、ギデオンはバアル神の像をこわしました。
    士:7(ミデアン人との戦い)ギデオンはイスラエルを脅かしていたミデアンと戦いました。
    士:8(ギデオンの勝利)ギデオンはミデアンに勝利しましたが、死後にイスラエル人はふたたび他の神を信じるようになりました。
    士:9(アビメレク)ギデオンの子アビメレクは兄弟たちを殺してシケムで即位、しかしシケムの首長たちとの間に戦いが起こり、アビメレクはシケムに壊滅的打撃を与えますが、ある女の投げたひき臼の上石のせいであっけなく死んでしまいます。
    士:10(トラ、ヤイル)トラ、ヤイルという二人の士師の治世のあと、主を裏切ったイスラエルはアンモン人に支配され、イスラエルは罪を悔います。
    士:11(エフタ) エフタはアンモン人との戦いに際して、勝って帰還したら最初に会った人を主にささげると誓願、自分の娘を犠牲にせざるを得ませんでした。
    士:12(エフライム人との戦い。イブツァン、エロン、アブドン)エフタはエフライム人と戦って勝ちました。彼の死後はイブツァン、エロン、アブドンという三人の士師の時代がありました。
    士:13(サムソンの誕生) イスラエルがペリシテ人に支配されていたころ、子どものなかったマノア夫妻に主の使いがあらわれ、サムソンが生まれました。
    士:14(サムソンの結婚)サムソンはペリシテ人の娘と結婚しようとしますが、裏切られてしまいます。
    士:15(サムソンの報復)娘と結婚できなかったサムソンはペリシテ人の畑を焼き払います。
    士:16(サムソンの最期)サムソンはデリラという女にだまされて怪力の秘密をしゃべってしまい、ペリシテ人に捕らえられますが、壮絶な最期を遂げつつ復讐します。
    士:17(ミカの聖所)ミカは自分用の神殿を作って偶像をまつりました。
    士:18(ダン族の移住) ダン族は嗣業の地を求めてライシを攻略、ダンと名づけました。またミカの神殿の偶像と祭司を奪ってまつりました。
    士:19(ベニヤミン族の犯行)ベニヤミン族のギブアに住むならず者たちが、旅人の妻に乱暴をはたらいて殺してしまいました。
    士:20(ベニヤミン族に対する報復)イスラエルの人々はベニヤミン族と戦い、全滅寸前まで殺し尽くしました。
    士:21(ベニヤミン族への戦後処理)ベニヤミン族がたえてしまわないよう、この戦争に出なかった村の人々を殺しつくし、処女だけを生かして、ベニヤミン族の生き残りへの妻としました。


  5. 真理子のコメント
    士:1:1 士師記に記述されている時代は実はよくわかりません。モーセが紀元前13世紀ごろの人物といわれ、イスラエル初代王サウルの在世が前1020-1004ですから、まあその間でしょう。つまり前1200-1020年、180年間ほどの出来事です。しかし士師記に登場する年代を全部加算すると410年間にもなってしまううえ、王上:6:1によると出エジプトから神殿建設まで480年間で、いろいろさしひくと士師記で扱われている年代は358年以下のはずです。士師たちの活躍期間がだぶっているのだろうという話もありますが、いずれにせよ士師記を史料として扱うのは無理があるのです。
    士:17:1 ここから終章までは士師と呼ばれる指導者は出てきません。「王がいないので人は自分勝手なことをやっていた」というのが何度もリフレインされているように、王のもとで祭司制度が整った時代から見た「昔はひどかった」というエピソードが語られています。
    士:17:5 個人の神殿なんていうのがあったというのが面白いですね。当時はまだ祭司職はレビ族独占じゃなかったわけです。
    士:18:1 ダン族はヨシュ:19:40-46のような土地を配当されたのですが、アモリ人に妨害されて実際にはそこに住めなかったのです。