[真理子日曜学校]
 

性感


 
  1. 性欲はなくなりません
     その昔はオリゲネスさんをはじめ、「最後の審判が生きてるうちにまもなくやってくる。それまでのガマンだ、性欲をもてあまして罪を犯したら天国に入れてもらえない」ってんで去勢に走ったクリスチャンがいたようですし、いろんな宗教の修行者で、性欲を克服しようと去勢をしてしまった人がいたようです。
     でも、たぶん、そういう人たちは、愕然としたでしょうね。
     なぜって、去勢しても性欲ってなくならないんですよ。
     私なんか今でも、AVとかヌード写真とか見るとムラムラしますよ。
     そのくせ、男性時代ならオナニーして射精したらしばらくは性欲がなくなりますが、今ではそんなこともできません。オナニーはできますけど、すればするほどますますムラムラする。実は私にはエッチなことのできる女友達がいて、女になった今でも会ってますけど、彼女に対する気持ちは男性時代とちっとも変わらないです。彼女と一つになりたい。一つになりたいっていうのはやっぱり彼女の体内に自分を入れたいんですよね。彼女の体を私に受け入れるんじゃないです。でも一つになれないので、余計にフラストレーションがつのっているかもしれません。
     いろいろな人の話では、女性ホルモンの投与を続ければ続けるほど性欲がなくなっていくらしいので、たぶんこの思いは、今だけなのかもしれません。が、少なくとも今は、男性と変わらない性欲があるんです。
     というわけで、去勢すれば性欲が克服できると思っている皆さん、まるきりあてがはずれますし、よりいっそう精進に励まないと、ますます事態が悪化すると思ってください。

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  3. 女は男の7倍気持ちいい?
     俗説で、「女は男の7倍気持ちいい」なんて言いますが、少なくとも私の場合は本当でした。男性時代よりもはるかに気持ちいいです。
     「陰茎もないのにいったいどこが気持ちいいのか」とお思いになるかもしれません。実は男性のVゾーンには、皮膚を隔てたすぐ裏に、尿道を取り囲むように前立腺という臓器があります。前立腺とは主に前立腺液を分泌する臓器ですが、いったいどういう機能のあるのかまだまだよくわかっていません。しかし実は前立腺には猛烈に性感があるんです。「性感を作る」ことこそが前立腺の主要な機能ではないかと思うほどです。
     通常の男性はこの部分を陰茎と陰のうがすっぽりおおっているので、皮膚の上から刺激することができません。肛門に指をつっこんで裏側から刺激することは可能で、そういう大人のおもちゃ(エネマグラ)や、風俗のサービスがあるほどです。泌尿器科のお医者さんの中には、患者の精液や前立腺液を採取するのに、この方法を使う人もいるようです。いずれにせよ、前立腺を刺激するには、肛門に指をつっこんで裏側から刺激するしかないわけです。
     が、陰茎と陰のうを全切除してしまうと、皮膚の上から前立腺をダイレクトに刺激することが可能です。早い話、ワレメ回りをさわるだけで猛烈に気持ちがいいんです。シャワーをあてただけでも気持ちいいです。さらにイミテーションとしてクリトリスができていますが、神経がこの前立腺につながっているので、ちょっとさわっただけで飛び上がるほど気持ちいいです。
     実は女性のクリトリスも、突起部分は氷山の一角で、やはりVゾーンの下にけっこうでっかく広がっています。男性の場合は前立腺がその代用になっているとすれば、これはかなりホンモノの女性の性感と似ていると思われます。
     早い話、私の女性化を支援してくれている女友達に、私の局部を刺激してもらうと、猛烈に感じる。「私が気持ちいいと思うことをやってあげてるのよ。それで感じてるんだから、女の感覚と同じはず」なんだそうな。

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  5. 性感は大事です
     こんなふうに、身体を女性化したことによって思いがけずに未知の性感を得たのですが、いったんこれをやると絶対に元には戻りませんので、興味本位でやらないように。まあ、やる人はいないと思いますが。
     「性感なんて生きていくのに不要」なんて思ってはいけません。これがなくなると人生とても味気ないです。神様が与えてくれたご褒美として楽しもうではありませんか。

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