[真理子日曜学校 - キリスト真理自由教会(フレーム表示) ]
 

カルト


 
  1. カルトとは?
     カルトとは、反社会的な宗教団体のことです。
     当教会ではキリスト教の他教会、さらには他宗教の施設の見学や礼拝への参加を推薦しています。しかし残念ながら、宗教団体の中にはカルト的性格を帯びたところもあります。キリスト教系団体の中での明確なカルトとしては統一教会、エホバの証人があります。が、プロテスタント教会の中にはカルトもちょこちょこありますので、あれよあれよという間にひきずりこまれて身を持ち崩してしまう危険もあります。

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  3. 異端とカルトは違います
     よく混乱のたねになっているのですが、異端とカルトは違います。たとえば多くのキリスト教会は、統一教会、エホバの証人、モルモン教を三大異端として批判し、「私たちはこれらとは関係ありません」と言ったりしますが、このうちモルモン教は異端ではあってもカルトとはいえません。
     異端とカルトを混同することは、カルトを温存させることにつながります。多くのキリスト教会は、これら三大異端を「三位一体を認めていない」とか「聖書以外の書物を聖典としている」などといって批判するのですが、そんなことはキリスト教に関係ない立場からすればコップの中の嵐であり、はっきりいってどうでもいいことです。
     カルトは単に宗教的立場が異なるからいけないのではありません。反社会的な活動をしているから、犯罪を犯しているからいけないのです。宗教の問題じゃないんです。オウム真理教の事件だって、「信教の自由の尊重」などということを言ってたから警察の介入が遅れ、死ななくてもいい人が多数死んだのです。
     カルト教団の批判は教義批判ぬきで、徹底して現実社会における犯罪的行動をこそ批判すべきです。カルトの問題を異端すなわち宗教の問題にしてしまうことは、かえって問題の解決を遅らせます。

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  5. カルト認定ポイント
     ではどういう特徴があればカルトといえるのか。日本脱カルト教会のサイトにある集団健康度チェック@日本脱カルト協会でぜひチェックをしてみてください。ただし質問項目が114もあるので答えるだけでも大変かもしれません。そこで、当教会が独自に、この質問項目を大幅にまとめ、かつ新たな判断基準も提案して、カルト度チェックをしてみたいと思います。
    集団行動を中心とする
    「入退会時に入退会希望者を集団でとりかこむ」「団体への批判者に集団で抗議行動やいじめをする」など、数の力にものをいわせる傾向のあるところ。当然ながら入退会者、批判者には他の人に相談させないようにします。また、組織の上部の者・責任者との連絡の手段がないのも特徴です。
    高額の献金を要求する
    「財産のほとんどを献金させる」「借金してまで献金させる」など、高額の献金を強要するところです。プロテスタント教会の一部でいわれている「什一献金(といちけんきん・じゅういちけんきん)」つまり全収入の十分の一を教会に献金させるものは、実際に計算していただければわかりますが非常に高額になります。しかも聖書(マラ3:8-10など)をたてに言ってくるので悪質で始末に終えません。当教会は什一献金を強要/推奨している教会はそれだけでカルト認定します。
    他宗教や伝統文化に対して排他的である
    もちろん自分とこの宗教が最高だと宣伝するのはいいのですが、他教派他宗教を攻撃するようになるとカルトです。「他宗教を連想させるものを本人の意思にかかわりなく有無を言わせず処分させる」「他宗教の行事はたとえ葬式などであっても参加させない」。さらに「自分たちの宗教団体は外部からの攻撃にさらされている」ということを強調するのもこの例です。
     そのくせ、外部からの批判は全くうけつけない。キリスト教系の場合は、「人をさばくな」(マタ7:1)なんかを掲げて批判者を非難します。自分たちは他宗教他教派を攻撃するのにね。人には厳しく自己には甘いというのがカルトたるゆえんです。もちろん信者には「自分たちを批判する書籍やサイトは閲覧させない」のはもちろんです。
    法律を犯す
    「ウソをついたり重要なことを隠したりする」ことに始まり、「組織活動のためなら法律も犯す」「悪霊を取り除くなど宗教的効能をうたって高額なものを売りつける」などがこれにあたります。「教団の指導のために特定の業種の仕事をすることができない」「大学に進学させない」「学校に通わせない」「居住の自由を奪う」なども含みます。
    脅す
    「脱会すると不幸になる」「さばきの日が近いからといって入会を強要する」「悪霊がついている」などといって脅します。また、「家族の不信仰がお前にたたっている」のように、不幸の原因を家族や祖先の罪のせいにしたりします。もちろんこの逆に「お前の不信仰で家族が不幸になる」などとも言っておどします。
     なお、なぜ「さばきの日が近い」というとカルトになるのか。「さばきが近ければ懸命に働いてお金儲けをしても無意味だから、いっそ教団に全財産を寄付しよう」など、現実生活の意欲を失わせ教団にすべてをまかせてしまいます。そこがカルトのねらいです。
    体を消耗させる
    ヘンな食事制限、睡眠不足、薬物投与、不衛生な環境での合宿、体力的に苛酷な修行などです。それが高じると自殺(未遂)者、病死者が多くでたり、はなはだしくは集団自殺になるのでしょう。
     また性的虐待、性的暴行、夫婦の健全な性生活への介入、別居生活の強制、教団が結婚相手を選択など、性に関する不当な介入も含みます。多くの人は性に罪悪感を持っているので、宗教が付け入る格好のポイントになっているのです。
    個人情報を集める
    「見学に行っただけなのに住所や電話番号を書けとうるさい」ことに始まり、自分の個人情報はおろか友人、知人、職場の同僚などのデータを出させます。
    陶酔的な儀式をする
    信者の理性をにぶらせるような薬物投与、幻覚体験などの陶酔的な儀式を礼拝の中心とします。これの軽度のものは「マスゲーム」「舞踊をともなう音楽」などです。もともとキリスト教では音楽を重視するので、単に礼拝に音楽を使うというだけならキリスト教はすべてカルトになってしまいます。理性を失わせる陶酔的な使い方をしているかどうかで判断してください。
    近代科学を否定する
    近代科学を否定して教団の主張あるいは聖典の記述を絶対に正しいとします。こうなると聖書無謬説をとる教派は即カルトですね。まあ、信仰の場でだけそう主張するならカルトとはいえないかもしれませんが、これを実生活に適用したらカルトです。たとえば病気にかかっても病院に行かせず教団の宗教儀式で治させるなどです。いまどきさすがにそれはないだろうと思ったら甘いです。精神科や心療内科など心をあつかう医学は宗教の領域とかぶるので、心の病を宗教だけで解決しようとしてしまうことはよくあるのです。まともな宗教者なら、ここまでは医学の領域でここからが宗教の領域という線引きをしっかりしています。
    政治に介入する
    「特定政党を支持する、あるいは特定政党を攻撃する説教をする」「特定政治団体の政治活動(署名なども含む)に強制的に参加させられる」「選挙のときに特定候補者に入れるよう強要される」などです。

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  7. 元気なところが危ない
     新約聖書の使徒行伝や書簡を見ると、原始キリスト教団のいくつかの特徴が上記のカルト認定基準にあてはまってしまうとお気づきかもしれません。たとえばイエスの弟子たちやパウロをはじめとした人たちは、自分たちが生きている間にさばきの日が来ることを大真面目に信じていました。だからこそパウロは、もともと女嫌いだったこともあり、一コリ7に見られるようなほとんど結婚を否定するようなおバカな説教をしたのです。私なんかこのパウロのバカ説教を読んでると、ホントに原始キリスト教団は迫害されるのもやむをえない危ないカルトだったのだなと思いますもの。まあ、そういう団体だったからこそあっという間にローマ帝国じゅうに広まったんでしょうけどね。一部の過激な人たちは、さばきの日が近いんだったら、性的な罪を犯さないようにと、去勢までしちゃった人もいたようですよ。
     そんなわけで急成長している教団はたいていカルトっぽいところがあります。落ち着いて社会から認知され一定の地位を占めたときに、カルトの性格が薄められていくのだと思います。創価学会も折伏大行進のころは明らかにカルトでしたが、今ではまあ人畜無害の存在になりつつあるようなものです。その意味では急成長している教団・教会は要注意です。
     まあ、宗教って、枯れた感じの伝統的なところがいいのよね。

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