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われらの神よ、あなたは恵み深く真実であり、寛容であり、すべてを憐れみをもって支配なさる。
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たとえわたしたちが罪を犯しても、わたしたちはあなたのもの、あなたに支配されていると知っていますから。でもわたしたちは罪を犯しません。あなたのものだと知っておりますから。
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あなたを知ることこそが完全な正しさてあり、あなたの力を知ることこそ不滅のもとであるから。
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悪人の巧妙な策略も、画家のむなしい努力も、きれいな色のついた像も、わたしたちを迷わすことはないのだから。
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それらに欲望を持ち、生命もなく呼吸もしない像を慕うのは愚か者だけである。
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偶像の作り手も求める者も拝む者も、みんな悪を愛する者たち、こういうむなしい欲望にふさわしい者たち。
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陶工はやわらかい土を苦労してこねて、わたしたちの生活に必要なものをさまざま作る。同じ土からきれいな食器を作るかきたない便器を作るかは、土をこねる人しだい。
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同じ土からむだな苦労をして、むなしい神の像を作るのだが、その作り手だって土から生まれた者であり、貸し与えられた寿命がつきれば、もとの土に返って行く者だ。
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しかし偶像の作者は、やがて自分も老いることや、寿命が短いことを気にもせず、金銀を細工する職人と争い、銅を細工する職人を真似し、にせものを作ることを栄誉としている。
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彼の心は灰のよう、望みは泥よりもむなしく、命は土よりも役に立たない。
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彼は自分を作った者を、自分に活動の息を吹き込んだ者を、生きた魂を与えてくれた者を知らない。
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彼はわれわれの生命をたわむれと思い、われわれの生涯を金をかせぐ手段と思い、たとえ悪事を働いてでもどこからでも利益を獲得しようと思っている。
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泥を材料にして器や像を作る者は、他のあらゆる人にまさって自分が罪を犯していることを知っている。
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あなたの民イスラエルの敵であり、彼らにはむかうエジプトの民は、一番愚かな者たちであり、赤ん坊の魂より哀れである。
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彼らエジプト人は、他国の民のあらゆる像までも神だと思ったからである。しかしその偶像はものを見る目もなければ息をする鼻もなく聞く耳もない。さわる手もなければ歩く足もない。
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偶像の作り手は人なのだ。霊を貸し与えられているにすぎない人が偶像を作ったのだ。どんな人だって、自分と同じようにしか、神を造れないものだ。
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死ぬべき人間は、罪の手で、死ぬべき像を作り出すだけだ。作り手は生きている者だが、作ったものは死んだものだから、拝まれる像より拝む人のほうがまさっている。
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しかも彼らは最も忌むべきけものまでも拝む。愚かさの点では他の行為と比較してもなお悪い。
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けものは見て美しいと思うこともあろうが、けものの像はそんなことすらない。彼らは神の賞賛や祝福を失っているのだ。
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