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第十六章 真鍮版からの聖文、つづき。イザヤ書第六章と比較せよ。 ウジヤ王の死んだ年に、われは高くあげられた御座に主の座したもうのを見たがそのもすそは神殿にみちていた。
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御座の上にはセラフらが居て各々六枚の翼があり、二枚でその顔を被い、二枚でその足を被い、二枚でもって飛び、
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互いに呼んで言う聖なるかな聖なるかな聖なるかな万軍の主その栄光は全地に満つと。
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かように呼ぶ者の声によって戸の柱はゆり動き、神殿の中は煙にみちていた。
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このときにわれは言った、禍なるかな、われは亡びるのだ。われは汚れたくちびるの者であり、また汚れたくちびるの民の中に住むのに、万軍の主である王をこの目で見たからであると。
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このとき一人のセラフが、火ばして祭壇の上からとった赤い火を手にしてわが側に飛んで来て、
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わが口にその赤い火をすえて言う。見よ、この火が汝のくちびるにさわったから、すでに汝の悪はとり去られ汝の罪は清められたと。
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また主の声がして、われはだれをつかわそうか。わがためにだれが行くかと言いたもうのが聞こえた。それでわれは言った。われここにあり、われを遣わしたまえと。
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主は言いたもう、行ってこの民に必ず聞けと告げよ。しかしかれらは解らなかった。また言いたもう、必ず見よと告げよ。しかしかれらは悟らなかった。
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また言いたもう、この民がその目に見、その耳に聞き、その心に悟るによって心を改めていやされることのないようその心をにぶくし、その耳をふさぎ、その目をとじよと。
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よってわれは、いつまでこのようであるか主に問いたずねたところ、主は答えたもうた。もろもろの町が亡びてその中に住む者がなく、家々に人がなく地が全く荒れはてて、
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主が人々を遠方に移すまでである。その地の中には人が大いに退き去ることがある。
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しかしその中の十分の一の人がのこって帰ってくるが、これも食いつくされる。さりながら、テレピントと樫の木は葉が落ちてもその木の実質がなくならないように、聖い種である十分の一の人々はその地の実質となるのである。
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