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2024年4月26日(金) 通読(本日=エレ47-52,バル3,クル-43回 明日=ルカ7-8,1イミ22,クル-44回)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔真理子訳〕マカビー記一 第10章
百六十(紀元前百五十二)年、アンテオコスの子、アレキサンドル・エピパネスがプトレマイスを占領した。民は彼を受け入れ、プトレマイスで王に即位した。
デメトリオ王はこれを聞くと大軍を集め、彼と戦うために出発した。
またデメトリオはヨナタンに友好的な手紙を送って、彼に権力を与えようとした。
デメトリオは言った、「ヨナタンがアレキサンドルと手を組んでわれわれに反旗を翻さないように、彼らと和議を結ぼう。
そうでないと、われわれが彼および彼の兄弟や同胞に対しておこなったあらゆる悪事を、彼はいつまでも忘れないことだろう」。
そしてデメトリオはヨナタンを同盟者と認め、彼に軍隊を集め武器を準備することを許し、エルサレムの要塞にいる捕虜を引き渡すことを言明した。
ヨナタンはエルサレムへ行って、すべての民と要塞の者たちに聞こえるように、この手紙を読んだ。
要塞の者たちは、王がヨナタンに軍隊を集めるのを許可したことを聞いて、非常に恐れた。
そして捕虜をヨナタンに引き渡したので、ヨナタンは彼らを親のもとに帰した。
ヨナタンはエルサレムに滞在して、町の再建にとりかかった。
城壁を建て、シオンの山を石で四角く囲んでとりでとすることを命じると、職人はその通りにした。
バッキデスがあちこちに作ったとりでの中にいた異邦人は、これを見て逃げ出し、
めいめいが持ち場を離れて自分の国に帰った。
しかしベテスラには律法と命令に従わない人々が残っていた。そこが彼らの町だったからである。

アレキサンドル王は、デメトリオがヨナタンに送った手紙のことを知り、またヨナタンとその兄弟の戦いぶり、立てた武勲、こうむった苦難を、人々からさまざま聞いて言った。
「このような人物は二度と現われないであろう。彼をわれわれの友として同盟を結ぼうではないか」。
そしてヨナタンに次のような手紙を書き送った。
「アレキサンドル王からヨナタン殿へ。
あなたが力強い方であり、友となるにふさわしい方であることを、われわれは知りました。
そこでわれわれは今日、あなたに紫の衣と黄金の冠を贈り、あなたの民族の大祭司あるいは王の友と呼ばれるにふさわしい人物であると認めます。われわれと協力し、友好関係を保ってください」。
そこでヨナタンは、百六十(紀元前百五十二)年七月、仮庵の祭りに聖なる衣をまとい、軍隊を集め、武器をたくさん備えた。

デメトリオはこのことを聞くと、心を悩ませてこう言った。
「アレキサンドルがわれわれに先んじてユダヤ人と友好関係を結んでユダヤ人の支持を集めることを、われわれはどうして許してしまったのだろう。
わたしもユダヤ人に手紙を送り、高い地位と贈り物を与えて、味方につけてわれわれの助けになるようにしよう」。
そこでデメトリオはユダヤ人に次のような手紙を送った。

「デメトリオ王からユダヤ人へ。あなたがたがこれまでわれわれとの契約を守り、友好関係を保ち、敵対する勢力と接近することがなかったのを聞いて、うれしく思っている。
これからもわれわれに誠実を尽くしてくれれば、あなたがたの協力に対してわれわれもよいことをして報いましょう。
あなたがたに課していた税金を免除し、贈り物を与えよう。
さらにあなたがたを自由にし、すべてのユダヤ人に対して、貢ぎ物、塩税、王冠税を免除します。
そしてユダ、サマリヤ、ガリラヤの各地、およびユダに新たに編入された三つの地方に対して、われわれに納めることになっていた、収穫の三分の一と木の実の二分の一を、今後は免除します。
またエルサレムとその周辺を聖なる地として、十分の一税と租税を免除します。
さらにエルサレムの要塞の支配権を大祭司に与え、大祭司がここに人を選んで警護させるようにしよう。
ユダの地のからわれわれの王国の各地に捕虜として連れてこられたすべてのユダヤ人に恩赦を与え、家畜に対する税金を免除します。
安息日や新月祭をはじめとするすべての祭り、その他の祝日および前後の三日間は、ユダヤ人はわれわれの国の中でいかなる束縛も受けずに自由に往来できます。
また、ユダヤ人に対しては誰も税金を集めたり苦役を課したりすることは許されません。
ユダヤ人の男子から三万人を王の軍隊に登録し、王のほかの軍隊に対するのと同じように、彼らには贈り物を与えます。
また彼らのうちの一部を王の城塞に配置し、また別の者を信頼して王国の仕事につけよう。
彼らへの監督者、指揮官は彼らの中から選び、王がユダの地で命じたとおり、律法に従って生活することを許します。
サマリヤからユダヤに編入された三つの地方は、ユダヤと同様とし、大祭司以外のいかなる権威にも服することはなく、統一された支配下にあるものとみなされなければなりません。
わたしは各地からあがる王の収入のうちから毎年銀一万五千シケルを与えます。
役人たちが以前のように払わなくなったので手元にあるお金を、今後は神殿の仕事のために払わせよう。
さらに、以前は毎年神殿の収入に課していた銀五千シケルの税金も免除します。神殿に仕える祭司が受けるべきものだからです。
また、王の税金などあらゆる負債を持っている者がエルサレムの神殿およびその境内に逃げ込んだ場合は、負債を免除し、われわれの国の中にあるその他の財産も保護します。
神殿の建物の建設費や修理費も王の収入から支払います。
エルサレムの城壁やユダヤ各地の城壁の建設費用も王の収入から支払います」。

しかしヨナタンとその民は、この手紙の言葉を聞いても信用せず、受け入れることはなかった。デメトリオが以前にイスラエルでひどい悪事をおこない、ひどく苦しめられたことを覚えていたからである。
アレキサンドルのほうが先に友好的な言葉をかけてきた王であったので、アレキサンドルに好意を寄せ、終始一緒に戦うことにした。
アレキサンドルは大軍を集めて、デメトリオに対して陣をしいた。
両者が戦いを始めると、アレキサンドル側の兵士が逃走し、デメトリオは優勢にたった。
日没まで両者は激しく戦ったが、デメトリオはこの日に戦死した。

アレキサンドルはエジプト王プトレミオに使者を遣わして、以下のような手紙を託した。

「わたくしは自国に引き返し、父祖たちの王座にすわり、支配権を握ってデメトリオを打ち倒し、国内を平和に治め、
デメトリオと戦ってその軍隊を破り、彼の王国の王座にもすわりました。
われわれは今、互いに友好関係を結びましょう。そのためにあなたのお嬢様をわたしにください。そうすればわたしはあなたのむこになり、あなたとお嬢様に相応な贈り物をいたします」。

これを聞いてプトレミオ王はこのように答えた。「あなたが父祖の地に戻って王座にすわったことはおめでとうございます。
あなたのおっしゃるとおりに、わたしはあなたの義父となりましょう。ついては実際にお顔をあわせるため、プトレマイスにいらしてください」。

百六十二(紀元前百五十)年、プトレミオは娘クレオパトラを伴って、みずからエジプトを出てプトレマイスにやって来た。
アレキサンドル王はプトレミオに会うと、プトレミオは娘クレオパトラを与え、プトレマイスで娘の結婚の宴会を王者にふさわしく盛大に開いた。
アレキサンドル王はヨナタンに招待状を贈って宴会に招いたので、
ヨナタンは威儀を正してプトレミオに出かけ、二人の王に面会した。二人の王は彼らとその臣下たちに金や銀やその他の多くの贈り物をし、恵みを与えた。
一方、イスラエルの不信仰な者、律法を守らない者がやってきてヨナタンを中傷したが、王は耳を貸さなかった。
王はヨナタンの上着を取り、かわりに紫の衣を着せるように命じ、そのとおりに実行された。
王はヨナタンと一緒にすわり、重臣たちに次のように言った。「彼を町の中央に連れて行き、いかなる理由があっても、誰も彼を中傷することも迷惑をかけることもないようにせよと、人々に広めよ」。
王のおふれのとおりにヨナタンが栄誉を受け、紫の衣をまとっているのを見ると、中傷した者たちはみな逃げ出した。
王はヨナタンに栄誉を与え、王の第一の友人の一人に加え、ユダヤの将軍および総督に任命した。
ヨナタンは喜びの気持ちでエルサレムに戻った。

百六十五(紀元前百四十七)年、デメトリオ一世の子デメトリオ二世がクレタを出発して父祖たちの地へと向かった。
アレキサンドル王は非常に悩んで、アンテオケに帰った。
デメトリオはアポロニオをコイレ・シリアの長官に任命した。アポロニオは大軍を編成してヤムニヤに陣をはり、大祭司ヨナタンに使者を遣わしてこのように言った。

「今やわれわれに対立しているのはおまえだけだ。わたしはおまえによってはずかしめを受け、そしりを受けた。おまえはどうして山地にたてこもって優位を保とうとしているのか。
もし自分の軍隊に自信があるならば、われわれと、いくつかの町の軍隊がいる平野に下ってきて、力くらべをしようではないか。
わたしがどういう者であるか、一緒にいるわれわれの援軍がどういう者たちであるかを知るがよい。彼らはこう言うだろう。『われわれの前にはおまえの立つ場所はない。なにしろおまえの父祖たちを、二度も敗走させているのだから』と。
したがって今回もわれわれの騎兵や軍勢を相手におまえがこの平野で防戦することは不可能であろう。平野には岩も小石もないし、逃げていく場所もないからな」

アポロニオのこの言葉を聞くとヨナタンは激しく怒り、一万人を選んでエルサレムを出発した。兄弟のシモンも加勢をした。
ヨナタンがヨッパに向かって陣をはろうとすると、アポロニオの守備隊がヨッパにいたので、住民はヨナタンの入城を拒んだ。そこでヨナタンたちは戦いを始めた。
するとヨッパの市民は恐れて町の門を開けたので、ヨナタンはヨッパを支配下においた。
アポロニオはこれを聞いて、三千の騎兵と大軍を準備し、一気にアゾトに至り、そこを通過して平野に向かった。信頼に足る騎兵の大軍を率いていたからである。
ヨナタンはアゾトまで追撃し、そこで両軍は戦い始めた。
アポロニオは一千の騎兵をこっそりユダヤ軍の背後に残しておいた。
ヨナタンは背後に伏兵がいるのに気づいた。伏兵は早朝から昼過ぎまでヨナタンの軍を取り囲み、民に向かって槍で攻撃した。
民はヨナタンの指揮のもとで、しっかり踏みとどまり、敵の馬には疲れのようすがはっきり現われた。
騎兵隊の力が衰えたのを見ると、シモンは自分の軍隊を集めて密集部隊に向かわせた。こうして敵軍はヨナタンによって打ち破られて敗走した。
騎兵隊は平野で散り散りにされ、歩兵はアゾトに逃れ、彼らの信ずる偶像をまつるベテダゴンに入り込んだ。
ヨナタンはアゾトとその周囲の町々に火を放ち、町を略奪し、中へと逃げた者たちをもろともにダゴンのやしろに火を放った。
剣で倒れた者、火で焼かれた者を合計すると八千人にのぼった。

ヨナタンはそこを出発して、アシケロンの近くに陣をはった。市民たちは出て来て彼と会い、大いなる栄誉を与えた。
ヨナタンは仲間の者たちと一緒にエルサレムに戻った。彼らは多くの戦利品をもっていた。
アレキサンドル王はこれらのことを知ると、前にもましてヨナタンに栄誉を与えようとした。
彼はヨナタンに、通常は王の親族にしか与えることのない金の襟止めを与え、さらにエクロンとその周辺を所領として与えた。


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