[真理子日曜学校 - 真理子の生活と意見(フレーム表示) ]
 

国家と「信教の自由」


 
  1. 2月11日が憂鬱よ
     2月11日は教団(日本基督教団のことね、以下同)じゃ「信教の自由を守る日」なんだそうで、すぐ近くの日曜日の礼拝はそういう話題になり、牧師によってはぼんぼん政治発言を連発するんで、真理子としては憂鬱です。こういうときに教会に遊びに行くとフラストレーションが溜まる一方なので、2月14日に向けてチョコの手作りにいそしむのが、再婚前の真理子の年中行事でした。
     だって義理チョコいちいち買ってたら大変な出費よ。再婚前は男職場で派遣社員してた年が長く、そうするとおブスの私も一応未婚の処女(おとめと読んでね。しょじょと読むと事実に反するわ)なんで何十個とチョコ配らなきゃいけない空気になっちゃう。だからチョコは手作り。ちっちゃいのを1人1粒だけ配るの。うまく作ると1人あたり原価は10円もしないんだけど、手作りだってことで注目度は高いわけね。でもさ、こうやって作っても、「ババァのチョコなんかいらねぇよ」とか悪態つかれるうえに、3月14日のお返しなんか絶対ない。再婚して一番よかったのは、このチョコ作成から解放されたことね。
      もちろん2月11日が「信教の自由を守る日」なのは、戦前の紀元節が1966年に建国記念の日として復活、これが戦前の国粋主義の復活を思わせるからってことです。生まれたときから2月11日が祝日な真理子には全然ピンとこないんだけどね。休めばいいじゃん。

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  3. ホンネは国教になりたいんでしょ?
     私、教団が2月11日を建国記念の日と認めず、信教の自由を守る日とか言って反体制的なポーズをとったり、靖国神社に反対したりしているのには、しらじらしさを感じます。
     それは一つには、教団が戦争中に軍部によって33教派を統合させられてできた合同教会であり、軍部に協力した歴史を持つ(軍部って何でも統一させたがるのよね。東京の私鉄はみんな東急にしちゃうし、東京のタクシー会社は和自動車交通、日本交通、都自動車交通・際自動車の「東京四社」に統合しちゃう。このネーミングは「大日本帝国」から来てるのよ)っていうこともあるんだけど、もっと根本的なこと。
     たとえ、日本がキリスト教国でも、そして靖国神社がキリスト教式でも、それでもあなたがたはそういう立場をとれるの? ということ。
     たぶん「とれる」と答えるんでしょうけど、その立場というのは本当に微妙なものになるでしょうね。アメリカのキリスト教会みたいに。結局は体制順応になってしまうんじゃないかしら。そしてそのうち、ジョン・レノンが『イマジン』の中で歌ったように、「国家のない社会が理想だ、宗教のない社会が理想だ」って言われちゃうのよ。
     私は、日本がキリスト教国でなく、キリスト教が人口の1%にも満たない少数派だというのは、なにより教団にとって幸福であったと思うんですけどね。少数派だからこそ、カッコいい反体制的なポーズでものがいえるのです。
     もっとも反体制がカッコいいのかどうか。むしろ真理子は、「日本がキリスト教国になりますように」なんて、思い切りホンネで言ったほうが、どれほど健全かって思います。「今上陛下のために主に祈ら~ん」なんて礼拝で大まじめに祈ってる正教会みたいに。
     でも、国教になったらなったで大変よ。戦争で死んだ兵士たちを祀る施設が神社になっているというのは、神道にとっては決して幸福でないと思います。あれでどんなに神道が誤解されていることか。あれは国家神道という明治になってできた擬似宗教であり、本来の神道はああいうものではないって思いますから。

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  5. 靖国神社はほうっておけばいい
     私は、神道以外の宗教団体が靖国神社に反対するのは「あんたんところの宗教じゃないから反対してるんでしょ」ととられる危険があるし、反対するならそうとられても仕方がないと思って反対することよねって思います。
     本当になくしたいんなら、まずは自分とこの宗教の布教につとめること、そして、『千の風になって』じゃないけど、そんなところに英霊は眠っていないのよっていうことをみんなに思わせるのよね。
     それ以前に、あと数十年もすれば、死んだ兵隊さんたちを直接知っているような遺族はいなくなり、政治家が公式参拝してもちっとも票に結びつかなくなります。そうなったら靖国神社はなくなるか、フツーの神社になります。

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