[真理子日曜学校 - 聖書の言語入門(フレーム表示) ]
【韓国語文語コース】

口上

 

  1. 言語の名称
     Korean Languageは例によって呼称問題でひと悶着ありますね。ハングルだのコリア語だのは問題外として、真理子は本当は朝鮮語と呼びたいんですけど、目下のところKorean Languageで書かれた聖書は、一つとして朝鮮語と名乗っているものはなく、みんな韓国語と名乗っているんで、仕方なく真理子も韓国語と呼ぶことにしますわ。


  2. 韓国語の聖書
     国民の4人に1人がクリスチャンという韓国はアジアにおける有力なキリスト教国といえますが、真理子日曜学校で韓国語コースを作ろうと思った理由はそれだけではありません。
     最近はニューカマーの韓国人が増え、日本の大都市の韓国人のコミュニティには韓国人向けの礼拝をやっている教会がちらほらあります。韓日対訳の聖書も2種類作られており、そういう教会で使われています。そういう教会に通う日本人クリスチャンなら、韓国語聖書に接する機会もあろうかというものです。
     その2種類に用いられている聖書のバージョンは、日本語のほうはどちらも新共同訳、韓国語のほうは、以前は「改訳ハングル」、今は「改訳改訂」。これは韓国の教会で主要に用いられているバージョンが、やはり以前は改訳ハングル、今は改訳改訂に移行しつつあることに対応しています。


  3. 韓国語聖書は文語訳
     そして最大の問題は、改訳ハングルにしろ改訳改訂にしろ、そこで用いられている韓国語は文語だということです。もちろん口語訳の聖書も数種類あるのですが、日本でいえばリビングバイブルみたいな参考書・副読本的存在であり、礼拝・典礼ではほとんどの教会で文語訳聖書がしっかり現役なのです。
     しかし日本で出ている朝鮮語/韓国語の文法書で、文語の用法を説明しているものは真理子の知る限り一つもありません。もっとも文語と口語の違いのほとんどは接続助詞や文末助詞の類であり、それらは一応辞書に載ってはいるので、最初だけ一生懸命辞書をひいて解読すれば、しばらくするうちに慣れてしまうという性質のものではあります。とはいえ、あらゆる参考書が文語の用法を無視しているのは異様であり怠慢というしかありません。文語は現代では用いられないからですって? 韓国のクリスチャン、つまり韓国人の4分の1は、今でも毎週この文語体の聖書を朗読しているというのに!


  4. ひと肌脱ぎます
     真理子は韓国語の専門家ではありませんが、これだけ韓国語の参考書や先生方が怠慢をこいている日本のお寒い平板な韓国語教育の惨状を見るにつけ、ひと肌脱がねばという気になってきました。真理子はオバサンですから人様に見せるような体もないんですが、もとい、人様に韓国語を教えるような実力もないんですが、韓国語文語訳聖書との格闘の跡をご披露いたしますわ。韓流スターにキャーキャー言うだけが日本のオバサンじゃないのよ。