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【日本語文語コース】

リファレンス文法・さ



  1.  「ます」に言い換えられたら過去の助動詞「き」の連体形で、「~た」と訳します。
     (例)ある人ふたりの子ありしが、 ある人に二人の子があったが、(マタ:21:28)


  2. しかば
     ~たので。~たから。過去の助動詞「き」の已然形+確定条件の「ば」。
     (例)花婿遅かりしかば、皆まどろみて寝(い)ぬ。 花婿の到着が遅かったので、みなうとうと寝てしまった。(マタ:25:5)


  3. しむ(しむる、しむれ、しめ)
     ~させる。使役の助動詞です。
     強ひてこれにイエスの十字架をおはしむ。無理に彼にイエスの十字架を背負わせる。(マタ:27:32)


  4. せば
     (1)。~としたら。過去の助動詞「き」の未然形+仮定条件の助詞「ば」。たぶん次の文が唯一の用例だと思います。識別のポイントは、ここを「ます」と言い換えられるかです。
     (例)我もし汝の前に恩を得たる者なりせば 私がもしあなたから恩恵を得られますならば(ネヘ:2:5)
     (2)。それ以外は動詞+「ば」なのですが、動詞が未然形か已然形かによって、「ば」の部分は「~ならば」(仮定)なのか「~ので・から」(確定)なのかが変わってきます。もし「せば」を「せず」に変えられるようなら、未然形+仮定条件の「ば」なので「するならば」と訳します。
     (例)何をもてせば汝をしばることをうるや。 何をやるならばあなたををしばることができるのかしら?(士:16:10)
     (3)。(2)がダメなら、已然形+確定条件の「ば」なので「するので、するから」などと訳します。次の例は「いませず」と言えません(「いまさず」です)。
     (例)神は正しき者のたぐひの中にいませばなり。 神は正しい人の仲間の中にいるからです。(詩:14:5)