[真理子日曜学校 - 聖書の言語入門(フレーム表示) ]
【古典ギリシア語コース】

キーボード配列


  1. ギリシア語キーボードのインストール
     せっかくコンピュータがあるのですから、ギリシア語を打てるようにしておきましょう。
     Windows XPおよびVistaには標準でギリシア語キーボードが用意されていますが、そのままでは使用することはできず、一番最初に「おまじない」が必要になります。
     まず言語バーの任意の場所を右クリックして「設定」。「全般」タブで「追加」、「ギリシャ語」の「Polytonic」を選んでOK。これでインストールをしてください。
     ここでおわかりのとおり、ギリシア語キーボードにはXPで3種類、Vistaでは6種類用意されています。とりあえずここでは「Polytonic」以外のキーボードは扱いませんので他は無視してください。
     ギリシア語を打ちたくなったら、言語バーのJPというところをクリックしてELにします。キーボードでやりたいならAlt+Shiftです。もし複数のギリシア語キーボードをインストールしていて切り替えたいのならELの右側のキーボードアイコンをクリックします。キーボードでやりたいならShift+Ctrlです。


  2. ノーマルの配置
     ノーマルの状態では次の文字が出ます。
     
     右上に赤で書いたのがキーボードに刻印されている字です。そのキーを押すと左下にある黒で書いた文字が入力されるという意味です。緑色に塗った部分の意味は後述します。
     見てのとおり、小文字と数字が主となっています。文字の配列はほぼローマ字通りなので覚えやすいことでしょう。σとςは(少なくともOSレベルでは)自動的に切り替わるわけではないので、打ち間違いに気をつけましょう。
     緑色に塗ったキーは補助記号入力用で、このキーを打っただけでは何も入力されず、次に土台となる文字を入力したときに一緒に入力されます。こういうのをデッドキーといいます。図では、記号だけでは読みにくいということもあり、サンプルとしてαやιを土台としたものを表示しておきましたが、実際には他の文字を土台としたものも打てます。
     これらのデッドキーが割り当てられているキーは、英語の101キーボードでは~だの;だのといった記号が割り当てられています。これらを入力したい場合は、このキーの次にスペースを押すと、それらの記号が出てきます。これが、上記の図の緑色に塗ったキーの、右下に書いてある文字の意味です。日本の106キーボードとは配列が違うので面食らうかもしれません。
     Q+スペースでは、例外的に、Qではなくて;が出てきます。ギリシア語では疑問符の意味になるので使用頻度が高く、しっかり覚えておきましょう。
     緑色で塗ったキーの記号の意味を念のために字でまとめておきましょう。
    キー入力される記号スペースを打つと
    1の左側のキー鋭アクセント+母音分離記号
    0の右長母音記号-(マイナス)
    0の2つ右無気息記号+曲アクセント=(イコール)
    Q鋭アクセント(古典);(セミコロン。疑問符)
    Pの右曲アクセント[(左角カッコ)
    Pの2つ右重アクセント](右角カッコ)
    Lの右鋭アクセント(現代)΄鋭アクセント(現代)単独
    Lの2つ右無気息記号'(シングルクォーツ)
    Lの3つ右無気息記号+重アクセント\または\(バックスラッシュ)
    Mの3つ右(.の右)無気息記号+鋭アクセント/


  3. シフトをおしながら
     大文字および英字用記号を出すのに使います。
     
     緑色で塗ったキーの記号の意味を念のために字でまとめておきましょう。
    キー入力される記号スペースを打つと
    1の左側のキー重アクセント+母音分離記号その単独
    0の右短母音記号_(アンダーバー)
    0の2つ右気息記号+曲アクセント+(プラス)
    Q母音分離記号:(英字用コロン)
    W母音分離記号+鋭アクセント(現代)その単独
    Pの右下書きイオタ{(左中カッコ)
    Pの2つ右(なし)}(右中カッコ)
    Lの右母音分離記号その単独
    Lの2つ右気息記号"(ダブルクォーツ)
    Lの3つ右気息記号+重アクセント|(縦棒)
    Mの3つ右(.の右)気息記号+鋭アクセント?
    ※そのままのときに無気息記号だったものは、シフトを押すと気息記号になります。なお「短母音記号」とは、短母音であることを強調する記号で、現実にはまず出てきません。


  4. 右Altをおしながら
     特殊文字を出すのに使いますが、古典用としては主に緑色キーを用いて母音用記号の複合、特に下書きイオタとアクセント記号の複合を出すのに使います。
     
     緑色で塗ったキーの記号の意味を念のために字でまとめておきましょう。
    キー入力される記号スペースを打つと
    1の左側のキー曲アクセント+母音分離記号その単独
    0の2つ右下書きイオタ+無気息記号+曲アクセント1/2
    Q下書きイオタ+鋭アクセント(未定義)
    Pの右下書きイオタ+曲アクセント«(《)
    Pの2つ右下書きイオタ+重アクセント»(》)
    Lの右母音分離記号+鋭アクセント(現代)その単独
    Lの2つ右下書きイオタ+無気息記号(未定義)
    Lの3つ右(なし)¬
    Mの3つ右(.の右)下書きイオタ+無気息記号+鋭アクセント(未定義)
    ※1を押したところには一見ς(σの語末形)が割り当てられているようですが、この字は「ςの大文字」なのであり、現実には使われません。ςを出すにはそのままでwキーです。
     Lの1つ右は、シフト+Wと同じ働きになっています。


  5. 右Altとシフトをおしながら
     やはり特殊文字を出すのに使いますが、古典でもけっこう出てくる「ギリシア語用コロン」つまり上付きの点が、「右Alt+シフト+Pの2つ右」という、まことにわかりにくい位置に割り当てられているので注意してください。
     
     緑色で塗ったキーの記号の意味を念のために字でまとめておきましょう。
    キー入力される記号スペースを打つと
    0の2つ右下書きイオタ+気息記号+曲アクセント気息記号+曲アクセントの単独
    Lの2つ右下書きイオタ+気息記号(未定義)
    Lの3つ右下書きイオタ+気息記号+重アクセント(未定義)
    Mの3つ右(.の右)下書きイオタ+気息記号+鋭アクセント(未定義)


  6. 古典ギリシア文字変換
     上に書いたように、古典ギリシア語の入力は大変な苦行です。現代ギリシア人にとって曲アクセントだの下書きイオタだのはごくごくごくまれにしか入力する必要がないのでこれですむのかもしれませんが、真理子を含めて古典ギリシア語の教材を作る人にとっては、とてもじゃないけどこんな入力できません。
     そこでささやかな古典ギリシア文字変換を用意しました。どうぞお使いください。