[真理子日曜学校]
 

ホルモン


 
  1. ホルモン治療
     「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」によれば、精神科医2人による性同一性障害の診断を得たあと、最低12ヶ月のホルモン治療を行い、それから手術ということになります。真理子の場合はこのガイドライン完全無視で、いきなり手術をしたので、手術後にホルモン治療を始めたわけです。真逆ですね。
     「手術しちゃったんならもうホルモン治療は不要なのでは」と思うかもしれませんがそうではありません。睾丸をとってしまったので男性ホルモンの分泌はゼロに近くなりますが(まるきりゼロにはならない)、かと言って女性ホルモンをばんばん作ってくれるような臓器が体内にあるわけじゃありませんので、どうしても外部から得なきゃなりません。
     性ホルモンって、投与しないと、あっという間に体が老化しちゃうらしいです。更年期障害って性ホルモンが出なくなったためのものです。じいさんばあさんって、性別がどっちだかわかんない人って多いでしょ? あんな感じになっちゃうわけですね。
     だから、正規のガイドラインに従ったとしても、手術が終わったからホルモン治療が終わりということはありません。一生投与しなきゃいけないわけです。もっとも、更年期になれば普通の人でも性ホルモンが出なくなっちゃうんで、まあそのあたりまで、65歳くらいまでってことでしょうか。
     ホルモン投与ってバランスなんです。手術をしておらず男性ホルモンを作っている睾丸がまだある場合には、それ以上に女性ホルモンを投与しなきゃ体は女性化しません。睾丸さえなくなれば、女性ホルモンの投与量を減らすことができます。
     だから、まず最初に睾丸を切除して、それから全部取っちゃうという、二段階の性別適合手術をする人もいます。睾丸切除はすぐに出来ますし、見た目は男性と変わらず、立ちションもでき、女性ホルモン投与量を少なく出来るので、手術に踏み切れない人がこの方法をとったりします。まあ、性別適合手術なんて、全行程やっても一日で終わる手術ですから、ひと思いにばっさりやっちゃったほうがいいんじゃないかと思いますけどね、私は。

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  3. 女性ホルモン
     注射の場合、ペラニンデポー(黄体ホルモン)とプロギノンデポー(卵胞ホルモン)の2種類があります。どっちでもいいみたいですね。というか、性同一性障害の治療の歴史なんて浅いですから、どの医者もよくわかっていないというのが実情のようです。
     注射は婦人科だけでなく、最近は「性同一性障害はカネになる」と思ったのか、美容外科がうつようにもなりました。ガイドラインに従っているなら、診断を下した精神科に病院を紹介してもらうという手もありますが、美容外科の中には、精神科医の診断ナシでうってくれるところもあります。
     できれば、治療開始時と途中途中で血中のホルモン量を調べながらやってもらえるところがいいかもしれません。もっともこの血液検査ってやたら高く、2万円くらいしたりするんですけどね。
     注射は健康保険なんてききませんがたいした値段じゃないです。私の通っているところはペラニンデポー10mgを2アンプルつまり20mgうって1575円。たいした値段じゃないので毎週これをやってたら、女性ホルモンの値が妊婦なみになってしまったので、最近は頻度をちょっと減らしています。
     注射は筋肉注射で、おしりの上部、ほとんど腰のあたりですね、そこにうちます。筋肉注射ですけどたいした痛みはありません。
     今のところ副作用らしい副作用はないのですが、疲れやすくなり、体力は落ちます。

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  5. 経口薬
     真理子はまるきり経験がありませんので他のサイトを見てください。経口薬は飲むのが大変だなって感じです。性同一性障害の診断がやたら厳しかった時代は、ネットで個人輸入をしている人が多かったようですが、今では診断ナシで注射をやってくれる美容外科が増えたようですから、ネットで検索して病院を探したほうがいいと思いますけどね。

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  7. 体の変化
     個人差があるようですが、女性ホルモンを投与すると、胸が成長します。とはいえせいぜいBカップ程度。それ以上大きくするには豊胸手術するしかありません。もっともBカップくらいあれば女湯に入っても「胸がある、こいつ女だ」と見えるようです。それから最初のうちは乳首がかなり痛いです。小学校高学年の女子が経験する痛みを今経験しているという感じです。こうなるとブラジャーなどしないと乳首がすれて痛いです。
     髪の毛の量はあまり変わりませんが、ハゲあがっていくのが抑えられて気持ち増えたかなって感じです。
     ヒゲははえ続けますので別途レーザー脱毛などやってください。
     すね毛などもやっぱりはえ続けますので毎日剃ってください。でもちょっとは薄くなったかもしれません。
     声は変わりません。発声練習するか、声帯を外科手術しないと女声にはなりません。
     肌はすべすべというか、皮下脂肪がついてぷにぷにになります。むしろ太りすぎないように注意しなきゃいけないかもしれません。
     感情は、涙もろくなったり、怒りっぽくなったり、起伏がはげしくなったように思います。
     ちなみに、女性に男性ホルモンを投与すると、声が低くなったりヒゲが生えてきたりするそうです。FtM(女→男)のほうが変化が激しいんですね。生物って本来は♀であり♂はそこから派生したものらしいんで(聖書の教えと逆)、女→男のほうがたやすく体を変化させられるってことらしいです。

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