בראשית ברא אלהים את השמים ואת הארץ׃ |
في البدء خلق الله السموات والارض. |
ついでながら、19世紀のヨーロッパの言語学者は、文字は漢字のような象形文字→日本語のカナのような音節文字→ローマ字のような(子音と母音をわける)音素文字というふうに進化してきたとして、音素文字を使っているヨーロッパ人が一番偉いのだと大真面目に信じていました。しかしなんのなんの、ヨーロッパ人だって昔は音節文字を使っていたんです(古代ギリシアの線文字Bとか)。人間やっぱり音節という単位で音を認識するのが自然であって、子音と母音を分けて書くという発想にはなかなか至らないものですからね。子音と母音を分けて書く発想は、セム語の「子音だけの文字」に触れて生まれたのです。フェニキアで用いられていた子音だけの文字をギリシア人が輸入して、ギリシア語を書くには子音だけじゃ不便なので母音を表す文字も作るなど悪戦苦闘をした末に、子音と母音を分けて書くギリシア文字が生まれたというわけです。しかし、日本語でも子ども向けの本には振り仮名が振られていますし、聖書や仏教のお経本のような聖典は、絶対読み間違いがあってはならないので振り仮名が振られていますね。それと同様で、ヘブライ語もアラビア語も、一応母音を表す補助的な記号があるのです。では母音記号をつけた形でさきほどの文を書いてみましょう。
בְּרֵאשִׁית בָּרָא אֱלֹהִים אֵת הַשָּׁמַיִם וְאֵת הָאָרֶץ׃ |
فِي البدء خلق الله السموات والارض. |