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日本語聖書(3)

ばべるばいぶるで用いている日本語聖書(歴史系)に関する説明をします。

  1. 聖書データの説明とダウンロード
     日本語訳聖書の各バージョンについては、
    日本語訳聖書(Wikipedia)
    聖書翻訳(Wikipedia)
    をご覧ください。ここでは、ばべるばいぶるで用いているバージョンのデータ入手元や変更点に即して解説します。
     以下の各聖書の解説の冒頭にある「略称」とは、ばべるばいぶるの画面で表示されるときの略称、略号とはばべるばいぶる内部で用いているコードです。
     日本語聖書は種類が多いので、
    1. 現役系……各教会で現役で使用されているもの
    2. 参考書系……学問的な翻訳やわかりやすくリライトしたものなど
    3. 歴史系……聖書翻訳史に残る翻訳
    の3つにわけます。なお、訓点つき漢訳聖書については中国語・漢文聖書をご覧ください。


  2. R,T,Gについて
     聖書名の(日本語)あるいは(日)表示のあとにR、T、Gとあるのは
    1. R……ルビつきテキスト
    2. T……ルビなしテキスト
    3. G……画像
    という意味です。
     日本語、特に文語は、ルビがなければ正しく読むことができないため、本来はすべてルビをつけたテキストでアップすべきところですが、個人の力ではテキスト化さえままならないのになかなかすべてをルビつきで入力することができません。そこでまずは画像で、次にテキスト化、最終的にルビつきという順序で作業を進めていきたいと思います。現在どういう状況にあるかをR、T、Gで表しているのです。
     「ほとんど画像だが一部テキスト」とか「一部はルビつき」という場合、作業順序がG→T→Rなので、すべてテキスト化できた時点でT、すべてルビがついた時点でRと表示します。
     ただし、何でもかんでもテキスト化すればよいというものではありません。テキスト化によって原本の仮名や漢字の書体情報が消えてしまうことが多く、そういう部分を研究したい人にとってはテキストより画像のほうがよっぽどいいということになります。
     そこで、最初に画像であげて後にテキスト化した本は、その画像をPDF化して真理子修道会(一時利用・応接室ページ)に登録することにしますので、原本が必要な場合はご覧ください。
     なお、Gと表示された聖書は携帯では閲覧できません(選択メニューにも出てきません)


  3. 聖公会続篇(日本語R)
     略称=聖公続(日R)、略号=skkap
     作業状況=1
     聖公会が1934(昭和9)年に文語で翻訳したアポクリファ(旧約外典)です。『旧約聖書続篇』というタイトルで出版されました。現在の新共同訳で旧約聖書外典のことを「旧約聖書続篇」と呼んでいるのを、ヘンテコな言い方だと苦言を呈している学者先生もいるようですが、実はそういう言い方は新共同訳が始めたのではなく、戦前の聖公会訳にルーツがあったんですね。ちなみに新共同訳に採録された外典は、聖公会のこの本で採録された書物のリストにピッタリ一致します。新共同訳の「続篇」はカトリック流ではなく実は聖公会流なのですね。
     この本は1968(昭和43)年になって新仮名新字体に改められて出版されました。いま古書店に出回っているのはたいていその版です。しかしここからとると著作権が2018年末まで切れませんし、文語の新仮名というのはとても読みにくいと思うので、著作権が切れており旧仮名を用いている1934年版をコピーして画像アップしました。
     エス・ギ(エステル書残篇)は追加部分しか収録されておらず、その他の部分は明治文語訳を併読する形式になっているので、当サイトでは明治文語訳の訳文とあわせて掲載しました。


  4. %mj14full%
     略称=%mj14jpabbr%、略号=mj14
     作業状況=%mj14work%
     次をご覧ください。


  5. %mj37full%
     略称=%mj37jpabbr%、略号=mj37
     作業状況=%mj37work%
     ヘボン、S・ブラウンらによる翻訳委員会社中(翻訳委員会)訳の明治訳新約聖書、通称「(明治)元訳」です。今入手できる文語訳である文語(日R)は、旧約聖書のみが明治訳であり、新約聖書は大正改訳です。しかし多くのプロテスタント教会の礼拝で唱えられている主の祈りは明治訳だったりするなど、明治訳新約聖書を読む必要は今でもあります。そこでこれも登録しました。将来的にはテキスト化したいですが当面画像でアップします。
     実は明治訳には2つのバージョンがあり、画像をとってきた版本の出版年にちなみ、前者を「明14」、後者を「明37」と呼ぶことにします。この両者はけっこう違い、たとえば固有名詞も明14はベツレヘム、明37はベテレヘムです。有名な「主の祈り」も文が違います。今の讃美歌に載ってる交読文は明37方式なので、単に「明治訳新約」を挙げるならば明37にしたほうがいいでしょう。
     画像は国立国会図書館近代デジタルライブラリーから拝借しました。明14は54012782『新約全書』(横浜:米国聖書,M14=1881)、明37は40050756『新約全書』(横浜:米国聖書会社,M37=1904)を用いました。ただし明37のほうは国立国会図書館のミスで、181コマと182コマの間に1コマ欠落があります。348-349ページ、Act:8:3-Act:8:27に相当します。そこでこの部分だけは52012285『新約全書』(引照つき。神戸:大英国北英国聖書会社,M37=1904)の83コマ(350-351ページ)からとりました。ここだけ版形が違うのはそのためです。でも偶然か必然か、版形が違っても改ページ位置がぴったり符合しています。


  6. ギュツラフ(日本語G)
     略称=ギュツ(日G)、略号=guetz
     作業状況=1
     現存する最古の日本語訳聖書として有名なギュツラフ(Karl Friedrich Augustus Gützlaff 1803-1851。善徳)訳『約翰福音之傳』です。


  7. ゴーブル(日本語G)
     略称=ゴブ(日G)、略号=goble
     作業状況=1
     ギュツラフ(日本語G)が最古の日本語訳聖書とすれば、最古の「国内印刷聖書」がゴーブル(Jonathan Goble, ABF 1827-1898)訳の『摩太福音書』です。


  8. Nブラウン志無也久世無志與(日本語G)
     略称=Nブラ(日G)、略号=nbr
     作業状況=1
     近代日本の聖書翻訳は幕末からヘボン、S・ブラウンらによって進められ、明治期になると彼らは「翻訳委員社中(翻訳委員会)」を結成して新約・旧約の完訳を完成しました。それが上記%mj37jpabbr%と文語(日R)の旧約部分です。ところがこの過程でバプテスト派のネイサン・ブラウン(委員会のS・ブラウンとはまるきり別人です。またNathanはネイサンであり、いくつかの参考書でネーザンと書いているのは間違いです)が訳語の対立(バプテスト派はバプテスマを「洗礼」と訳すのに猛反対して「浸礼」と言いますからね)で脱退、独自に新約を1879(明治12)年に完訳しました。翻訳委員会訳の新約が完成したのが翌年ですから、N・ブラウンの訳こそが「日本で最初の完訳新約」の栄冠を勝ち取ったわけです。
     「志無也久世無志與」は「しんやくぜんしょ(新約全書)」と読みます。本文からお分かりのとおり、N・ブラウンはわかりやすさを重視して徹底してひらがなを使用し、漢字や原語表記を傍注の形で添えています。タイトルは万葉仮名的表記を好み、たとえば分冊版では「也古部乃不美(ヤコブのふみ)」と書いたりしています。
     2008年に新教出版社から、別冊の解説書として川島第二郎『ネイサン・ブラウンと「志無也久世無志與」』をつけた形で復刻版が出ましたが、16800円もするのでおいそれと買えません。解説書があるとはいえ著作権の切れたものに16800円も払わせるのは、ネット・アーカイブ時代にあってはボッタクリとしかいいようがありません。そこで真理子が一肌脱いで全頁コピーしてアップしました(もちろん合法です)。


  9. 文字コードコンバージョン
     携帯端末など、文字コードコンバージョンを行うモードでは、日本語に関しては一切変換を行いません。



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