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ヨブの最後の弁解。
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「わしの権利を奪い取った神様、わしのたましいを苦しめた全能者を指して誓う。
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生きている限り、息のある間は、
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わしは悪を語らず、うそを言わない。
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あんたたちの言い分が正しいとは、絶対に認めない。 最期の息を引き取るまで、身の潔白を主張し続けるぞ。
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わしが絶対に罪人でないことを、口がすっぱくなるまでくり返すぞ。 良心に恥じることは何もない。
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わしの主張に横槍を入れる者は、絶対に赦さん。 そんな悪魔のような連中は、わしの敵だ。
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不信心な者は、神様にいのちを断たれる時、何の望みもなくなる。
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災難が降りかかって悲鳴をあげても、神様はそっぽを向く。
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彼が全能者を心の喜びとせず、困ったとき以外は神様を心に留めないからだ。
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神様について教えてやろうか。
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いや、その必要もあるまい。 あんたたちもわし同様、神様のことを知っているのだ。 それなのに、あんたたちは愚にもつかない御託を並べ立てる。
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悪者が全能者の手から受ける運命は決まっている。
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たとい子だくさんでも、その子らは戦死するか、さもなくば飢え死にする。
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生き残ったにしても、結局は病気で墓場行きだ。 しかも、だれも悲しんでくれない。 彼らの妻さえ嘆かない。
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金がうなるほどあり、たんすには衣装がぎっしり詰まっていて、
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それが特別あつらえの物ばかりであっても、結局は正しい人がそれを身に着け、悪者の銀を山分けするようになる。
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悪人の建てた家はくもの巣のようにもろく、ほったて小屋のように隙間だらけだ。
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寝る時は金持ちだが、朝、目を覚ますと財産がごっそりなくなっている。
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彼は恐怖に打ちひしがれ、夜の間の嵐に吹き飛ばされる。
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東風が彼を、永遠の世界へと運び去る。
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神様は容赦なく彼に襲いかかり、彼は神様から逃げようと必死にもがく。
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彼が死ぬと人々は手をたたき、軽べつの目で、彼を永遠の世界へと見送る。
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