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シュアハ人ビルダデの二度目の返事。
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「気でも狂れたのか。 助言してほしかったら、少しは筋の通ったことを言うものだ!
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それじゃあまるで、わしらが、とんまで物言わぬ獣みたいじゃないか。
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あんたが怒って着物を裂いただけで、地震が起こり、わしらは逃げ隠れするとでも思っているのか。
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あんたが繁栄しなかったとしたら、それはあんたが悪人だったからだ。 炎が消えて当然だ。
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悪の居座る家には暗やみがつきものだからな。
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悪人は肩で風を切って歩くが、急に足もとが危うくなり、全身の力が抜けていくのがわかる。
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[8-9]彼は落とし穴に落ち、待ち伏せしていた追いはぎの餌食になる。
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どこを通っても、罠がしかけてある。
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敵が、すぐあとをつけているのだから、彼がこわがるのもむりはない。
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飢えのために消耗した彼を、災難が待ちかまえている。
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病気が皮膚をむしばみ、死が彼をむさぼり食う。
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日ごろ頼りにしていた富にもそっぽを向かれ、恐怖の王のもとへ引き立てられる。
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家も、燃える硫黄の集中攻撃を浴びて姿をかき消す。
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彼は根元から枯れ、枝は一本残らず切り取られる。
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彼の記憶は地上から一掃され、彼を覚えている者は一人もいなくなる。
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彼は光の国から闇の国へと追いやられ、この世から強制立ち退きを命じられる。
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子も孫も親類縁者もいなくなる。
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老人も若者も、彼の運命を知ってぞっとする。
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これが、神を信じない罪人の行き着く先だ。」
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