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あんたが引き合いに出したような例は、山ほど見てきたさ。 言いたいことはよくわかる。
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わしはばかじゃない。 あんたと同じくらい道理はわきまえているつもりだ。
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ああ、全能者とじかに話してみたい。 この問題を直接、話し合ってみたい。
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あんたたちは、まるでわしを誤解している。 藪医者もいいとこだ。
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頼むから、黙っててくれ。 それが最高の知恵というものだ。
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さあ、聞いてくれ。 わしの考えの背景にある道理と、わしの訴えに耳を貸してくれ。
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神様は一度だって、あんたたちの言っているようなことを口になさらないのに、それでもなお、神の代弁者面をするつもりか。
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真理を曲げるような、あんたたちの助けを、神様は求めるだろうか。
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化けの皮がはがれないように、注意することだ。 それとも、人間同様、神様も手玉にとれると考えているのか。
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とんでもないことだ! 神様をだしにして嘘偽りを並べ立てると、うんと油を絞られるぞ。
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ほんとうなら、神様の威厳はあんたたちを恐れさせるはずだ。だから、そんなことができるはずはない。
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せっかくだが、これまでのご託宣は、灰ひと握りの値打もない。 あんたたちは神様を弁護しているつもりだろうが、そんなものは土器のようにもろい。
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余計な口出しはしないで、ほっといてくれ。 わしにしゃべらせてくれ。 結果はどう出ようと、わしが責任をとる。
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こうなったら、いのちを賭けてもいい。 思っていることを洗いざらいしゃべろう。
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そのために神様に殺されるなら、それでもいい。 たとい殺されても、やめるものか。
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わしが信者なので、神様の前から即刻立ち退きを命ぜられないことが、せめてもの頼みの綱だ。
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耳の穴をほじって、最後まで聞いてくれ。
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わしが正しいことはわかっている。 これがわしの言い分だ。
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このことでわしと議論できる者がいるか。 もし、あんたたちがわしのまちがいを証明できたら、わしは自分の弁護をやめ、いさぎよく死んでみせる。
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ああ神様、お願いです。 二つのことだけはしないでください。そうすれば、私は神様と顔を合わせることができます。
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私を見捨てないでください。 こわい顔をして、私をおびえさせないでください。
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そばへ来い、と声をかけてくだされば、すぐにも飛んで行きます。 でなければ、私の質問に答えてください。
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私がどんな悪いことをしたか教えてください。 どこがいけないのか、はっきり示してください。
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なぜ横を向いて、私を敵の手に渡すのですか。
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風が吹き飛ばした葉を目くじら立てて責めるのですか。 かわいた役立たずのわらを、なぜ目の色を変えて追い回すのですか。
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神様は、私を痛烈に批判し、若いころのあやまちを一つ残らずあばき立てる。
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[27-28]私を牢獄にぶち込み、四方が壁のへやに閉じ込める。 私は朽ち木のようになり、しみに食われた着物のようになる。
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