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第二十一章 真鍮版の上に誌されたままのイザヤの書、つづき。イザヤ書第四十九章と比較せよ。 再び言う、汝らイスラエルの家の者よ、わが民の牧者らが罪悪を犯したために折り去られ追い出された汝らは、みなわが民に属するイスラエルの家の者である、四方に散らされたものである。もろもろの島よ、われに聞け。もろもろの民よ、遠い所から耳を傾けよ。われが母の胎内に宿った時に主はすでにわれを召し、われが母の胎を出ないうちに主はすでにわが名を語り告げたもうた。
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主は、わが口を鋭い剣のようになし、御手の蔭にわれを隠し、われをとぎすました矢となしてそのえびらに隠したもうた。
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そしてわれに言いたもうた、イスラエルよ、汝はわが僕である。われは汝によって栄えを得ようと。
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それでわれは答えて「われはいたずらに働き、益なく空しく力を費した。しかしまことにわが裁きは主が定めたもう、わが働きはわが神が知りたもう」と言った。
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われがなお胎内にあったときから、ヤコブを再び主に連れて来させるためにわれを定めてその僕となしたもうた主は言いたもう。イスラエル人がたとえ集められなくとも、われは主の前に栄光を得わが神はわが力となると。
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また言いたもう。ヤコブのもろもろの支族を起し、イスラエルの保存された子孫を元に復させるために汝をわが僕とするは小さなことである。われはまた汝を異邦人に光として遣わし、世界のはてにいたるまでわが救いをひろめる者としよう。
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主なるイスラエルの贖い主イスラエルの聖者は次の如く言いたもう。人にいやしめられる者、もろもろの民の忌み嫌う者、治める者の僕たちになる者は、信実なる主のためにもろもろの王がこれを見て立ち、もろもろの王子もまたこれを拝する。
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主はまた次の如く言いたもう。もろもろの島よ、われはこころに適うた時に汝らにこたえ、ある救いの日に汝らを助けた。われはこれから汝らを守り、民の誓約としてわが僕を汝らに与え以て世界を建て荒れすたれた受け嗣ぎの地をつがせよう。
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されば、汝らはとらわれ人に出よと言い、暗い所にいる者に現われよと言うことができる。かれらは道にあって食物を食い、その牧場はみな高い所にある。
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かれらは飢えず渇かず暑さにも日の光にもかれらは苦しまない。かれらを憐れむものがこれを導いて泉のほとりにつれて行くからである。
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われはもろもろの山をことごとく道となし、わが大路を高くする。
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イスラエルの家よ、その時が来ればこれらの者は遠い所から来、これらの者は北から来、西から来、またこれらの者はサイニムの地からくる。
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天よ唱え、地よよろこべ、東に居る人々の足が確かに定まるからである。もろもろの山よ唱い出せ、これらの者はもはや打たれることがない。主はその民を慰めその苦しむ者を憐むからである。
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しかるに見よ、シオンは言った。主はわれを捨てたもうた、わが主はわれを忘れたもうたと。しかし、主はそうでないことを証明する。
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およそ母であって自分の生んだ子を憐まないほどその乳児を忘れることができるであろうか。たとえかれらが忘れようとも、イスラエルの家よ、われは必ず汝らを忘れない。
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見よ、われはわが掌に汝を彫り刻んだ。汝らの石垣はたえずわが前にある。
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汝らの子らは取り急いで汝らを亡ぼす者に立ち向い、汝らを荒した者は汝らのために追い出される。
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汝ら目をあげてあたりを見廻せ。これらの者は皆寄り集まって汝らの所にくる。その時主は言いたもう、汝らは必ずかれらをことごとく身に装って飾りとし、身にまとってはなよめの帯の如くにする。このことはわれの生きているように確かである。
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汝らの荒れすたれた所とこわされた地は、その時に当ってさえ住む者のために狭すぎる。そして汝らを呑みつくした者たちは遥に離れ去る。
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始めの子供らを失ってから次に汝らの持つべき子供らは、再び汝らの耳に言う。この所はわれらにはあまりに狭い、わが住むために所を与えよと。
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その時汝らは心の中で言う。われはすでに子供らを失い心淋しくとらわれの身となってここかしこにさまよって歩いたのに、わがためにこれらの子供を生んだのはだれか。だれがこの子供らを養い育てたか。見よ、われは独りのこされたがこの子供らはどこに居たのか。
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かように主なる神は宣う。見よ、われは手を異邦人に向ってあげ、わが旗をもろもろの民に向って立てよう。さらば、かれらは汝らの息子たちを手に抱いて来、汝らの娘たちを肩にのせてくる。
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もろもろの王は汝らの養父となり、その后らは汝らの養母となって顔を地に向けて汝らの前に平伏し、汝らの足につく塵をなめる。ここにおいて、われが主であることを汝らは知る。われを待ち望む者は恥を受けないからである。
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勇士から獲物をどうして取り返せようか。また正当な捕虜をどうして救い出せようか。
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しかし、かくの如く主は言いたもう。勇士の捕えた捕虜さえも取り返し、荒々しい者の獲物さえも救い出す。われは汝らと争う者と争って汝らの子供らを救うからである。
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われは、汝らをしいたげる者にその者たちの肉を食わせる。かれらはまた甘いぶどう酒に酔うように自身の血を飲んで酔う。されば、天下の民は主なるわれが汝らの救い主であって、汝らの贖い主、ヤコブの全能者であることを知るのである。
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