[真理子日曜学校 - 聖書の言語入門(フレーム表示) ]
【総合案内コース】

真理子日曜学校流・外国語学習法


  1. 聖書を「読む」とは?
     真理子日曜学校での語学の勉強の目的は、どこまでも「聖書を読む」ことにつきます。聖書以外のものは読みません。せいぜい典礼文や宗教音楽の歌詞を扱う程度です。それ以外のこと、たとえば日常会話などはやりません。ですから真理子日曜学校で勉強してもそれだけでは日常会話はできるようにはなりません。
     もっとも、聖書を読むだけでもかなりの基礎訓練になると思います。なぜなら、ここでいう「読む」とは、暗唱するということなのです。黙読だけでなく音読必須、しかも暗記必須です。ですから、自己流でナマリは多いかもしれませんが一応「話す」練習はありますし、単語は覚えないし文法も体系だてて覚えないかもしれませんが、テキスト自体を暗記していくのですからかなりの蓄積になります。ですから、あとはちょっと努力するだけで日常会話もできるようにはなると思っています。
     いずれにせよさしあたりは、聖書というすでに意味のわかっているテキストだけを読むのですから、ふつうの語学の勉強にくらべてやることが限定されます。そこで真理子日曜学校流(それはとりもなおさず真理子流でもあるのですが)の語学の勉強のしかたをまとめておきましょう。
     もちろん、真理子日曜学校の各言語コースはこのやり方にしたがって編成されています。


  2. 文字の読み方
     しっかりやります。これをやらないと聖書を「読む」ことができませんから。
     もっとも、たいていの言語ではつづりと発音には乖離があります。つまり書いたとおりに読まないってことです。ですから文字の読み方だけ覚えて自己流で読むのはあぶないので、できる限り音声教材を手に入れてください。それにしても、文字をまったく読まずに音声教材だけ聴くというのも大変です。聞き違ってまるきり違う発音で覚えてしまう危険もあります。だから音声教材で勉強するにしても、やっぱり文字の読み方はやらなきゃいけません。
     なお、ここでいう文字の読み方とは、アルファベットの読み方ではありません。アルファベットの読み方はイイカゲンでもけっこうです。つまりドイツ語なら、A、B、C…は本当はアー、ベー、ツェー…と読まねばならないのですが、英語ふうにエイ、ビー、シーでもいいということです。なぜなら現実の文章中でアルファベットの読み方をする局面はほとんど出てこないからです。万一でてきたら、そこだけしっかり覚えればいいだけの話です。


  3. 聖書の原文を音読して覚える
     最初は超有名なところだけでいいですから、聖書の原文を何度も音読して覚えます。できる限り音声教材(キリスト教専門書店でいろいろ売ってます)を入手して何度も聞き声に出して覚えてください。


  4. その言語の文法のアウトラインを頭に入れる
     名詞はどう変化するのか、動詞はどう変化するのか、語形変化表を覚える必要はありませんから、アウトラインを頭に入れ、文法書を読んで(覚える必要なし)どこに何が書いてあるのかを把握します。


  5. 文法解析
     覚えた聖書の原文の一語一語について、文法情報と意味を調べます。これはアンチョコが各種出ていますので最初はそれに頼ってもかまいませんが、少しずつ独力でできるようにします。それと同時に文法書の語形変化表の該当部分にシルシをつけます。これを繰り返していくうち、気がついたら語形変化表を覚えている自分に気づくことでしょう。


  6. 書いてみる
     文法的な理解が終わったら、新共同訳なり口語訳なりの日本語訳聖書を見ながら(暗記してるんだから見なくてもいいんですけどね)、原文を口に出して言い、かつ正しいスペルで書いてみます。


  7. 文法書の選び方
     上記のように、「文法書をざっと通読(だけど覚えない)」→「まずは原文を暗記」→「出てきた文法事項をチェック」というやり方をするためには、文法書は「文法項目を全部網羅している」「文法項目をパッとひける」という要件を満たすことが絶対に必要です。
     このためには入門書は不便で役立たないことが多いです。なぜなら入門書は動詞ちょこ、名詞ちょこ、動詞ちょこ…というふうに、各品詞を少しずつまんべんなく進めていくようなカリキュラムになっているので、必要となる文法項目を探すのが大変だったりするからです。それでも索引があればまだいいのですが、インドヨーロッパ語族やセム語族の言語(聖書の言語はほとんどそう)のようにやたらに語形変化が複雑だったりすると、入門書の範囲では文法項目が全部終わらなかったりすることがあります。
     これでは困りますので、初心者にやさしい書き方でなくてもかまいませんから、「ともかくすべての文法項目を網羅して、パッと調べやすいもの」を選んでください。入門書よりもむしろ中級向けの「○○語文法」のようなタイトルのもので探すといいでしょう。
     意外に文法書よりは辞書附録の文法のまとめのほうが役に立つということがあるかもしれません。


  8. 辞書
     適当なものを1冊そろえてください。たいていの辞書には「文法のまとめ」がついていますが、そこが読みやすくひきやすいものを選ぶといいかもしれません。
     あと、意外に重宝するのが作文辞典。作文辞典とはギリシア語なら「希和辞典」タイプではなく「和希辞典」タイプのものということです。なければ和希でなく英希でもかまいませんし、索引程度のちゃちものでかまいません。もちろん私たちがやるのは読解なのですからメインはあくまで希和ないし希英なのですが、和希ないし英希も併用するということです。語形変化の激しい言語の場合は文中の形と辞書の形がかなり違い、辞書をひけないことがあります。でも私たちの場合は聖書という「もうすでに意味のわかっているテキスト」を読むのですから、どういう意味の語かは推測がつきます。ですから和希ないし英希でそれをひくと、意外に簡単に辞書の形をつきとめられるわけです。
     よく、「英作文のときは和英辞典をひくだけでなく、必ずそれを英和辞典で引き直して確かめよ」と言いますが、その逆に、英和辞典でひいた語を和英辞典で引きなおすと、思わぬ類義語が見つかったりするものです。つまりは作文辞典はシソーラスとしても使えるのです。せっかく暗唱できるようになったテキストですから、辞書や文法書で徹底的にしらべまくれば、けっこう語学力の向上に役立ちます。


  9. 英和・和英の電子辞書
     マイナーな言語の場合「○英辞典」「英○辞典」のおせわになることも多いですから英語に関しては電子辞書やWEB辞書、翻訳ソフトなどを活用できるようにしておくといいです。


  10. さあがんばれ
     どうですか? これならできそうだって思いませんか。
     いずれにせよ聖書の原文を音声として丸暗記するのがメインです。これだけは手を抜かずにがんばってください。