口上

  1. KJVの英語
     英語くらいわかるぜですって? 甘い甘い甘いっっっっ! KJVは1611年翻訳。日本じゃ江戸時代の最初、まだ豊臣家だって滅んでいないんです。そんな昔の英語がすらすら読めるわけがないと思うのが常識というものです。実際、KJVの英語の文法は現代英語と多少異なります。
     しかしKJVの英文法を調べようと思うと、意外なことに、適切な参考書がなかなかみつからないのです。
     英語の歴史は大きくOE(Old English 古代英語)、ME(Middle English 中世英語)、ModE(Modern English 現代英語)と3区分されますが、KJVの英語は一応ModEなんですね。英語史の教科書にはOEやMEの文法はしっかり載ってますが、ModEの文法はほとんど載っていません。そのくせ本当の現代英語とはちょっと文法が違うのですから、いわば英語史の盲点になっているわけです。


  2. 17世紀英語コースだけの特徴
     聖書の言語入門はどのコースも、「口上-文字の読み方-原文読解-文法のまとめ」という順になっているのですが、17世紀英語コースの場合、ほとんどの人が英語を学校でやっているはずですから、文字の読み方は割愛、文法のまとめも、KJVに出てくる17世紀英語独特の文法事項のみにしぼります。そのかわりといっては何ですが、次に書くような「おまけ」を追加しました。


  3. おまけ
     コースの最後におまけとして、「宣誓論争」、「Good morning論争」という2つの有名な論争を紹介します。どちらも英文法の誤解に関するもの、期せずしてどちらも祈願文がらみになっています。学力のある人にはばかばかしい論争ですが、英語教育がどんどん実用・現代一本やりになっているお寒い現状では、今後は祈願文(仮定法現在)を知らない学生が増えていくのではないかしら。とするとこの論争は他人事ではすまされないですよ。聖書の英語では祈願文が多く出てきますので、真理子日曜学校のこのコースでも多く出てきます。真理子日曜学校のまとめとしてこれらの論争を振り返るのも意味があるのではないかしら。
     また、論争ではありませんが、やはり祈願文の訳にからむ話として、「Let it beを讃美歌に」もお読みください。