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イミタチオ

ばべるばいぶるで用いているイミタチオ・クリスチ(キリストにならいて)データに関する説明をします。

  1. イミタチオとは
     De Imitatione Christi という、キリスト教に基づく修養・信仰を著した書です。聖書についで広く読まれた書と言われ、日本でもキリシタン時代から、聖書の翻訳に先立って全文翻訳されてきた歴史があります。
     邦訳題名が『キリストにならいて』『基督のまねび』などバリエーションがありますが、ラテン語タイトルの主格形 Imitatio Christi に由来して「イミタチオ・クリスチ」などと称される場合も多く、ばべるばいぶるではここからとって「イミタチオ」と呼ぶことにします。
     著者は伝統的にトマス・ア・ケンピス Thomas a Kempis (1380-1471)という、ドイツに生まれオランダに没した神秘思想家とされていますが、実はヘーラルト・ホロート Gerard Groote という、トマスが所属していた教団の教団長であり、トマスはそれをラテン語に訳した訳者グループの一人というのが真相のようです。
     原著は中世オランダ語であり、その系統に基づいた翻訳(由木康訳『キリストにならいて』教文館(1973)。オランダ語原本の英訳に基づく翻訳)もありますが、現在一般に出回っているカトリック公定のラテン語本とはずいぶん異なります実質的には1418年ごろに匿名で出版されたラテン語訳に基づく本がカトリック公定本すなわち原著とされており、ばべるばいぶるでもこの系統の本を扱います。


  2. イミタチオデータの取り扱いについて
     イミタチオは全4巻で、それぞれが聖書同様に章・節に分かれています。節は実質的には段落なので、聖書にくらべると各節の文字数はかなり多いのですが、それに目をつぶれば、全4巻114章1039節の本ということになります。各節の文字数の多さを勘案すれば、ほぼ詩篇(150章2527節)程度の量に相当します。そこでばべるばいぶるではイミタチオ各巻を1書とし、計4書ならなるものとして扱います。なお、書名の内部コードは1ic、2ic、3ic、4icです。
     各章には独特のけっこう長いタイトルがついていますが、第1節冒頭に付しました。また4巻冒頭にはちょっと長い序文がついていますが、1章1節の冒頭に付しました。


  3. 内村訳イミタチオ(イミターシヨ・クリスチ 基督のまねび 日本語G)
     略称=Im:内村(日G)、略号=uch
     作業状況=1
     内村達三郎訳『イミターショ・クリスチ(基督のまねび)』岩波文庫(1928)です。後(1933年)に春秋社から出ましたがこちらがオリジナルです。内村達三郎は内村鑑三の弟で、春秋社が戦後1946年に出した本書末の略歴によれば、「1866(慶応2)年群馬県生まれ、札幌農学校卒業、1888(明治21)年実兄内村鑑三と共に東京独立雑誌を発行、1934(昭和9)年東京で死去、著訳書 トロイの歌、テニソン『イン・メモリアム』等」とのことです。そんなわけで著作権保護期間は満了しております。底本はカトリック公定本ということですので、節区切りはこれに統一しました。


  4. ベンハム訳イミタチオ(The Imitation of Christ 英語T)
     略称=Im:ベン(英T)、略号=benhm
     作業状況=1
     英訳の代表として、William Benham(1831-1910)訳を採用しました。Project Gutenbergからいただきました。底本が何なのか不明ですが、節の分け方がほとんどカトリック公定本に一致しているのでたぶんそれでしょう。見てのとおりKJV的な古めかしい英語に訳しています。


  5. イミタチオ・ラテン語(De Imitatione Christi ラテン語T)
     略称=Im:(ラT)、略号=ichla
     作業状況=1
     THE CLASSICS PAGEからいただきました。底本が何なのかはわかりません。



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