ばべるばいぶる(多言語聖書閲読)
HELP
フォント・背景色変更
ID:
パスワード



2024年4月25日(木) 通読(本日=箴1,ユディ8,アル8 明日=エレ47-52,バル3,クル-43回)

●章表示 ●検索

聖書1:
聖書2:
ルビ: 節番号表示:
見出し表示 あり  なし


検索語:
聖書:
大小文字同一視
検索書名
同時表示聖書:
1ページに表示する候補数:
ルビ:
章モードしおり 現在の章をしおりに追加(最大20) クリア 並べ替え


節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕アルマ書 第17章
神の道のために、国を治める権能をすててレーマン人に道を伝えようとニーファイの地へ行ったモーサヤの息子たちの記録。ならびにその艱難と救いの記事。以上アルマの記録による。
第17章
イシマエルの地に於けるアンモン。アンモン、ラモーナイ王の僕となる。アンモン、勇敢に王の羊の群を護る。

アルマは南の方を指してマンタイの地へ行こうとしてギデオンの地から旅に出かけたが、その途中で思いもよらずモーサヤの息子たちに出逢った。モーサヤの息子たちはゼラヘムラの地の方へ旅をしているのであった。
モーサヤのこの息子たちは、天使が最初アルマに現われたときアルマと一しょに居た者たちであったから、アルマはこのように兄弟たちに逢って非常に喜び、ことにかれらがやはり元の通り主の教会の兄弟であったからまたその上一方ならず喜んだ。この兄弟たちはまことに正しい理解をもっている者たちで、神の道を知るために熱心に聖文を研究したから、すでに真理について深い知識を持つようになっていた。
そればかりでなく、かれらは非常に熱心に祈りと断食とをしたから「予言のみたま」と「啓示のみたま」とを受け、その教えを宣べるときには神に授かった権能と威勢とによって教えた。
そして今まで十四年間レーマン人の中に居って神の道を教え、多くの人によく真理を悟らせることができた。まことにかれらの言葉の力によって、この多くの人は神の聖壇の前にきて神に祈り、その御前で自分の罪を告白した。
さてモーサヤの息子たちが旅をしていた間の事情はと言うと、かれらは多くの艱難に逢って肉体上にも精神上にも大いに悩み苦しみ、ある時は飢えある時は渇きある時は疲れて精神上の苦労も少くなかった。
かれらの旅のことを記すと、始めにその父のモーサヤ王も国民もかれらに王位を伝えたいと思ったけれども、かれらはこれを辞退して判事治世の一年目にその父モーサヤ王と別れ、
ゼラヘムラの地を去ったのであるが、荒野にある間に食物をとるために剣、槍、弓、矢、石投器などを持って行った。
そして荒野に旅立つときにはすでに選んでおいた人々を一しょにつれて行った。これはニーファイの地にのぼって行ってレーマン人に神の道を伝えるためであった。
一行は荒野の中に長い間旅をしたが、主がその「みたま」の幾分かを下したもうて自分たちと一しょに行かせ、また自分たちと共に居らせたもうように大いに断食をしまた祈りをした。それは神の御手に使われて、できるならば同胞であるレーマン人に真理を悟らせ、その先祖の正しくない言伝えが不純であることを知らせるためであった。
それで主は「みたま」をかれらに与え、安心せよと言いたもうたのでかれらはそれで心が安らかになった。
それから主はまた「汝らの兄弟なるレーマン人の所へ行きわが道を宣べてこれを確立せよ。汝らはわれに由りてかれらに模範をあらわすよう忍耐強く堪忍をし、また艱難に堪えよ。さらばわれは汝らをわが手に使い多くの人を救わん」と言いたもうた。
そこでモーサヤの息子たちとその一行は、みなレーマン人の所へ行って神の道を宣べ伝える勇気が出た。
そしてレーマン人の国境に着くと、かれらは互いに別れて各々違った方面へ行ったが、その伝道が成功してからまた皆が共に会うことを主に信頼して出て行った。皆の者は、すでに始めたこの伝道の事業が偉大なものであることを予想していたからである。
全くその通りその伝道の事業は偉大であった。それは今かれらが神の道を宣べ伝えようと企てた民は野蛮猛悪頑固であって、ニーファイ人を殺したりニーファイ人の物を盗んだりかすめ取ったりすることを喜び、いろいろな財宝や金、銀、宝石などに執着をしていたから、このような物を手に入れるために自分で働く必要のないように人殺しとりゃく奪とを行ったのである。
このようにレーマン人は非常に怠け者の民であって、その中には偶像を拝む者が多くあり、皆先祖からの言伝えのために神ののろいを受けていた。しかしながら、かれらがもしも悔い改めるならば主の誓約にある祝福がかれらにも与えられるはずであった。
従って、モーサヤの息子たちはレーマン人に悔い改めさせるために、またあるいは贖いの計画を悟らせるために伝道の事業に着手したのであった。
それであるから、かれらは互いに別れて、各々与えられた神の誡めと権能とを以て一人づつレーマン人の中へ入って行った。
さてアンモンは一行の頭であって、むしろかれらに必要なものを与え教え導く者であったから、互いに別れる前それぞれの職に応じてこれを皆祝福し、その上神の御言葉を教えてかれらを勇気づけはげまし、ついにかれらと別れを告げたが、それから一行は互いに別れて各々違う道に向いレーマン人の全国を経めぐった。
そしてアンモンはイシマエルの地へ行ったが、この土地の名はイシマエルの息子であって後にレーマン人となった者たちの名をとってつけられた。
アンモンがイシマエルの地へ入るとレーマン人はすぐにかれらを捕えてしばった。これはレーマン人のならわしであって、およそレーマン人の手に落ちたニーファイ人は皆しばって王の前へ引いて行き、これを殺すもこれを束縛しておくも、これを牢屋に入れるもまた国外に追い出すのも王の意のままに任せた。
このようにして、アンモンはイシマエルの地の王の前へつれて行かれた。この王はイシマエルの後裔でその名をラモーナイと言った。
王はアンモンに向って、かれがこの地にとどまってわが民であるレーマン人の中に住みたいと思うかどうかと聞いた。
するとアンモンは「さよう。私はしばらくこの民の中で住みたいと思う。多分私が死ぬまでここに住むかも知れない」と答えて言った。
これを聞いて王は大そうアンモンが気に言ってかれをしばってある縄を解かせ、その上自分の娘の一人をアンモンの妻にしたいと言った。
しかしアンモンは「そうではなく、私はただ王の僕になるだけが願いである」と答え、ラモーナイ王の僕になった。やがてアンモンはレーマン人のならわしに従って、ラモーナイ王の羊の群を見守るためにほかの僕たちと一しょにつかわされた。
アンモンは三日間王に仕えてから、レーマン人である僕たちと一しょに羊の群を追いながらセブスの水と言う水のある所(レーマン人はみなその羊に水を飲ませるためにここへ群を追って行く)へ行く途中、
その前に水を羊に飲ませてしまって帰ってくる幾人かのレーマン人がじゃまをして、アンモンと王のほかの僕が飼っている羊の群を追い散らしたから羊は四方八方に逃げ散った。
そこで王の僕たちは「私たちの兄弟らの飼っている羊の群もこの連中の悪い行いのために追い散らされそのために王は私たちの兄弟らを殺した。この度はまた王が私らを殺すにちがいない」とつぶやき始め、非常に歎いて「ごらん、私らの羊の群はもう散り散りになってしまった」と言った。
かれらは殺されはしないかと思って泣き悲しんだが、アンモンはこの様子を見て喜びが胸に一ぱいとなり「私はこの羊を集めて王のところへ返し、そして同役の僕たちに私の能力を示し、いや私に宿る力を現わしてみせて、同役の僕たちの信用と歓心とを得て私の言葉を信じさせよう」と独言を言った。
これはアンモンが自分の兄弟と呼んだ同役の僕たちが悲しんでいる様子を見て心に浮んだ考えであった。
そこでアンモンはかれらを慰めはげまして「私の兄弟らよ、心配するな。さあこれから行って羊を探し、これを集めて水の所へ追い返そう。こうして王のために羊を護るならば王は私らを殺さないにちがいない」と言った。
僕たちは羊を探すためにアンモンの後について行き、急いで走りまわって王の羊の先に立ち、またこれを水ぎわに追い集めた。
ところが前に言ったレーマン人たちが、また王の羊の群を散らそうとしてやってきてそこに居った。アンモンは同役の僕たちに「羊がまた逃げないようにこれを囲んでおけ。私は独りで行って羊を散らす者たちと戦う」と言った。
そこで同役の僕たちはアンモンがせよと言った通りにしたから、アンモンはただ一人出て行ってゼブスの水ぎわに立っている者どもと戦ったが、敵の数は少くなかった。
それで、かれらはただの一人で思いのままにアンモンを殺せると思ってアンモンを恐れなかったが、主がモーサヤに約束をしてその息子たちをレーマン人の手から救い出すと仰せになったことを知らず、また主のことを少しも知っていなかった。ただその同胞の亡びるのを喜び、そう言うわけで王の羊を散らそうとして待ち受けていた。
ところがアンモンが進み出て驚くほどの大力をふるって石投器でかれらに石を投げ始め、その数人をうち殺したのでかれらはアンモンの強いのにびっくりした。しかし味方の中に殺された者があったので大いに怒り、必ずアンモンを殺すと決意をしたが、とても石では撃てないことを認め、アンモンを打ち殺そうと棒をもって出てきた。
ところが棒をふり上げてアンモンをうち倒そうとした者たちは、アンモンに剣でもってみなその腕を切り落された。このように剣をもって腕を切り落しうちかかってくる棒を防いだから、敵はうろたえてアンモンの前から逃げて行った。まことに敵の数は少くなかったが、アンモンは腕に受けた力をもってこれを撃ち退けた。
この敵の中で六人は石投器のために死んだが、アンモンはその張本人のほかには一人も剣にかけず、ただ向って来て腕をあげた者の腕を切り落しただけであった。しかし、その数は少くなかった。
アンモンは、レーマン人を遠く追い払ってから、同役の僕たちの所へ帰ってきて一しょに羊に水を飲ませ、やがてその群を追って王の牧場へ帰った。そしてアンモンを殺そうとしてアンモンの剣で腕を切り落された者どもの腕を王の前へ持ってきた。これを王の前へ持ってきたのは一同がしたことを証明するためであった。

このページのURL
http://www.babelbible.net/bible/bible.cgi?bible0=col&book=alm&chapter=17&mode=0