[真理子日曜学校 - 聖書の言語入門(フレーム表示) ]
【バチェラーのアイヌ語コース】

今後の勉強法

 

  1. 今後の勉強法
     何度もいうように、真理子はバチェラーのアイヌ語を「聖書アイヌ語」というアイヌ語の一方言・一形態として高く評価していますが、一般には幽霊アイヌ語、まがいものアイヌ語として評価は低いです。バチェラーのアイヌ語をしゃべったところで、専門家からはバカにされるのがオチでしょう。バチェラーのアイヌ語を勉強するには、バチェラーの辞書をたよりにバチェラー訳の新約聖書を読解していくしかありません。どなたか真理子以外にも「今こそバチェラーのアイヌ語を見直す」なんていう研究者の方は現れないかしら。
     まあそういう奇特な方が現れたとしても、やっぱり一般のアイヌ語をも身につけることが必須ですね。
     なお、バチェラーのアイヌ語については、田村すず子先生がバチェラー辞書の巻末に『バチラーの辞典について』を書いておられますんで、それをもご覧ください。図書館で読むか、真理子修道会に入ってください。
     それから、冗談半分ですけど、戸部実之『アイヌ語入門』(泰流社。1989。絶版)をおすすめしておきましょう。戸部氏の本をすすめるなんて真理子も気が狂ったかですって? ちゃんと落ちがあるんです。この本は実はバチェラーの辞典の文法概説と本編を下敷きにしているんです。ですからバチェラーが英文で書いた文法概説を読む上でのアンチョコになります。ただしつまみぐい翻訳なんで(どうせなら完全に翻訳してくれりゃよかったのに)、原文と対照しながら読んでください。絶版ですから真理子修道会に入って読んでください。


  2. アイヌ語ラジオ講座
     一番安価で手軽な勉強法はラジオ講座です。STVラジオで毎週日曜日朝7:05-7:20、再放送土曜日23:15-23:30にやってます。「北海道民じゃないからSTVラジオなんか聴けない」ですって? アイヌ語ラジオ講座のサイトから音声をMP3で、テキストをPDFでダウンロードできます(無料会員登録要)。テキストは1998年分から、音声は2000年分からあります。2003年度はあの故・萱野茂大先生が講師をやってました。
     レベルややり方は年度によってかなり違うので、各年度のテキストを見て(年度頭の4-6月テキストと年度末の1-3月のテキストを見るのが手っ取り早いです)判断してください。太田満先生の年(2004年と2008年)はかなりハードで、真理子も何度も何度も聞いてやっと理解したほど。一般人にはさぞやつらかったんじゃないかと思います。でも太田先生の講座が難しいのは、決して教え方がよくないからではありません。その逆で、一般向けだから手加減しようという変な迎合がなく、やるべきことをしっかりやっているからです。難しいのはアイヌ語なのです。ですから本格的に勉強するならぜひ太田先生の年度の講座をおすすめします。太田先生の年だけはテキストの各ページがやたら小さい字でびっしり埋め尽くされていることからも、その本格ぶりがわかるでしょう。特に2004年のものは(執筆者は北海道教育大旭川分校の井筒勝信先生ですが)猛烈に小さい字でA4では判読に苦しいほどです。10-12月、1-3月のものは巻末に語彙集まであり、これだけの内容のものが無料で入手できるというのはおトクです。


  3. 入門書
     中川裕・中本ムツ子『CDエクスプレス・アイヌ語』(白水社。2940円)と、いわばその続篇にあたる中川裕・中本ムツ子『カムイユカでアイヌ語を学ぶ』(白水社。3990円)かしら。


  4. 文法書
     三省堂の『言語学大辞典』(亀井孝・河野六郎・千野栄一編。ところでこれ「事典」って書いたほうがいいと思うんですけど「辞典」なんですよね)のp.6-94の「アイヌ語」の解説(田村すず子)は、単なる解説を超えて、簡潔で要を得たアイヌ語文典として評価が高いです。この辞典は一般人にはとても手が出せるものじゃありませんけど(全部買ったら325500円もしますもの)、アイヌ語と日本語と琉球列島の言語の部分だけ『日本列島の言語』という本になって5250円で売ってるんで、それでお読みになるのもいいですし、日本語と沖縄語なんか不要というなら、図書館でお読みになるか、真理子修道会に入ってください。


  5. 辞書
     当分は入門書巻末の語彙集で十分としても、その先にどういう辞書を使うかはちょっと難問ですね。というのは、少なからぬ方言差があって標準語が形成されていないアイヌ語では、辞書も方言ごとに作られています。ですからあなたがアイヌ語を勉強して何をやりたいのかによって、使うべき辞書が変わってくるということになります。人によって扱う方言が違うので、他の人の作った辞書が必ずしも使えるとは限りませんから。
     現役の辞典としては、
    1. 中川裕『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館。1995。9990円)
    2. 田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』(草風館。1996。18900円)
    3. 萱野茂『萱野茂のアイヌ語辞典 (増補版)』(三省堂。2002。10500円)※沙流方言
    というところです。3にはCD-ROM版もありましたが今のところ品切です。
     しかしこれらを手にとってみると、みんな1段組で、「辞典にしては語数が少ないな」という気がすることでしょう。
     専門家は批判たらたらですけど、やっぱりあのバチェラー辞典は、語数の点ではいまだに他の追随を許していませんので、巻末の田村すず子『バチラーの辞典について』のような注意を払いつつ、実はこっそりみんな使ってるんですよ。
     このほか、方言の違いを知りたいなら服部四郎『アイヌ語方言辞典』(岩波書店。1964。18900円)です。ただしこの本は、専門家が調査してるんで記述は信頼できるとしても辞典というより基礎語彙調査というところがあります。
     また、語彙数をふやしてばんばん会話したいなら、「知里真志保著作集」(平凡社。1993。絶版)の別巻2巻におさめられている『分類アイヌ語辞典』、ユーカラなどの口承文芸の言葉は雅語といって日常の言葉とまた違うので、切替英雄『アイヌ神謡集辞典』(大学書林。2003。10500円)が必要となるでしょう。くどいようですが、これらのうちのどの辞書を用いるかは、あなたがアイヌ語のどういう点に関心を持っているかによります。