[真理子日曜学校 - 聖書の言語入門(フレーム表示) ]
【古典ギリシア語コース】
文字の読み方・1
- 概要
まずは以下の文字を覚えてください。
見出しには大文字-小文字の順に書きます。活字体と筆記体の区別はありません。大文字は文頭と固有名詞の頭に用います。学問的なテキストの場合は、文頭も小文字で書くことが多いです。
字母の名称もできる限り覚えるようにしてください。
筆順については気にする必要はありません。一応の目安としてギリシャ文字の筆順 @ 苫小牧高専のページをご紹介しておきますが、これは日本の数学
- Α α
アるファ(ἄλφα)。日本語のア。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。- αι……日本語のエ。
- αυ……アフ。次が有声音のときはアヴ。
- Β β
ヴィタ(βῆτα)。英語のv。下唇を軽くかんでヴです。
- Γ γ
ガマ(gάμμα)。- 次がイ・エという母音以外……g、つまりガ・ゲ・ゴのような音になるのですが、日本語のガ・ゲ・ゴよりも、のどの奥で出すような感じです。
- 次がイ・エと発音される母音……イとグの間のような、のどの奥で出すイの音になります。のどの奥をひびかせるようにしてイ・エと発音します。ふりがなでは「い」「え」のように書きます。
- γγ……ng(ング)
- γκ……語頭ではg(グ)、語中語末ではng(ング)
- γχ……nx(ンふ)
- Δ δ
ぜるタ(δἐλτα)。英語のthatのth。ふりがなはひらがなで記します。
- Ε ε
エプシろン(ἒ ψιλόν)。日本語のエ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。- ει……日本語のイと同じ。
- ευ……エフ。次が有声音のときはエヴ。
- Ζ ζ
ズィタ(ζῆτα)。英語のz。
- Η η
イタ(ἦτα)。日本語のイ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。- ηυ……イフ。次が有声音のときはイヴ。
- Θ θ
スィタ(θῆτα)。英語のthinkのth。
- Ι ι
イオタ(ἰῶτα)。日本語のイ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。
- Κ κ
カパ(κάππα)。英語のk。
- Λ λ
らムダ(λάμβδα)。英語のl(エル)。ふりがなでは「ら・り…」のようにひらがなで書きます。
- Μ μ
ミ(μῦ)。英語のm。- μπ……語頭ではb(ブ)、その他はmb(ンブ)。
- Ν ν
ニ(νῦ)。英語のn。- ντ……語頭ではd(ド)、その他はnd(ンド)。
- Ξ ξ
クシ(ξῖ)。英語のks。
- Ο ο
オミクロン(ὂ μικρόν)。日本語のオ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。- οι……日本語のイと同じ。
- ου……日本語のウ。
- Π π
ピ(πῖ)。英語のp。
- Ρ ρ
ロ(ῥῶ)。きつい巻き舌のr。ῥと書かれることもありますが同じです。
- Σ σ ς
シグマ(σῖgμα)。英語のs。ただし有声子音の前ではzの音になります(有声子音の前です。母音の前ではzにはなりませんので勘違いしないよう)。小文字の場合、語末ではς、その他はσです。
- Τ τ
タフ(ταῦ)。英語のt。- τζ……日本語のズ。
- τσ……日本語のツ。
- Υ υ
イプシろン(ὖ ψιλόν)。日本語のイ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。- υι……イ+イですからイイです。
- Φ φ
フィ(φῖ)。英語のf。
- Χ χ
ヒ(χῖ)。のどの奥から出るハ・ヘ…の子音。ふりがなでは「は・へ…」のようにひらがなで書きます。
- Ψ ψ
プシ(ψῖ)。英語のps。
- Ω ω
オメガ(ὦ μἐgα)。日本語のオ。さまざまなアクセント記号がつきますがすべて無視してください。
- 文字の重複
上記γγ以外、文字が重複している場合はすべて無視し、1字しか書かれていないように発音してください。