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2024年4月19日(金) 通読(本日=エレ42-46,バル2,クル-41回 明日=ルカ5-6,1イミ21,クル-42回)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕モーサヤ書 第29章
第二十九章
国を治める道に関するモーサヤ王の説教。代議政体を推賞する。判事たちが選ばれる。父アルマの死。モーサヤ王の死によってニーファイ人の王の治世終る。

モーサヤ王はアルマにいろいろな記録や保存しなくてはならぬ貴重な器を伝えてしまうと、だれがその国の王になるべきかについて民の意見を知るために全国に使をつかわした。
すると民が答えて「われわれは汝の息子のアロンが王となってわれわれを支配することを望む」と言った。
ところがアロンはニーファイの地へ行って国に居なかったから、王の位をアロンにゆずることはできない、アロンも王の位をつぐ心がなかったし、モーサヤ王のほかの息子たちも一人として王になりたいと言うものはなかった。
それでモーサヤ王はまた布告書を民の中にまわし、次のように書いて知らせた。
「見よ、わが臣民よ。いな、わが同胞よ。われはまことに汝らを同胞と思う。汝らは王を持ちたいと思うが故に、ねがわくはわれが今汝らに述べんとする汝らがよくよく考うべき事をとくと考えよ。
われ汝らに告ぐ。今当然王位をつぐはずの者は辞退してこれを受けようとしない。
もしほかの者を代えて王とするならば汝らの間に不和の起る恐れがある。それは当然王位をつぐ権利のあるわが子が、後に怒って民の一部をいざない味方に引き入れることがないとも言えないからである。もしそうなると、汝らの中に戦と不和がしきりに起り、そのために多くの血を流し、主の道を曲げ、多くの民の身も霊も亡ぼすようになるであろう。
われ汝らに告ぐ。われらはよろしく知恵を出してこれらのことをよくよく考えよう。われらがわが息子を亡ぼすすじもなければ、わが息子の代りにほかの者を王にしてからこれを亡ぼすすじもない。
わが息子がもしも再び高慢な心とつまらぬ行いにかえるならば、自分が前に言ったことを取り消して自分に王の位をつぐ権利があると主張するであろう。そうすれば、わが息子もこの民も多くの罪を犯すことになる。
われらはよろしく知恵を出してあらかじめこれらのことをよく考え、この民の平和になることを計らなくてはならぬ。
故にわれは生涯ののこりをやはり汝らの王として過そう。しかし見よ。われらはよろしくわが国法に従ってこの民を裁判する判事らを任命し、また神の命令に従ってこの民を裁判する賢い人を選んで判事とし、この民のまつりごとを新に整えよう。
人が神に裁判をされるのは、人に裁判をされるよりは優っている。神の裁判はいつも正しいけれども人の裁判は必ずしも正しくないからである。
故にいつも神の律法を行わせ神の命令に従ってこの民を裁判し、あたかもわが父ベニヤミンのようにこの民のために力をつくす正しい人を選んで王とすることができるならば、常に汝らを治める王があるのもよいであろう。
われは戦争、不和、盗み、掠奪、殺人そのほか何らの悪い行いがないように、汝らに神の命令を教え全国に平和を布く目的で才能の及ぶかぎりをつくしてきた。
罪悪を犯す者は、これをわれらの先祖から伝わった法によって罰してきた。
さて、すべての人は必ずしも正しくないから、一人であると数人であるとにかかわらず、汝らを治める王がある必要はない。
見よ、ただ一人の悪い王が行う悪事とかれが招く滅亡はいかにも大きいではないか。
ノア王を思い起せ。ノア王とその民が犯した罪悪と憎むべき行いとを思い起せ。見よ、かれらの受けた滅亡はいかにもひどいではないか。かれらはその犯した罪悪のために奴隷にされた。
かれらがもしも真面目に悔い改めて、かれらを造りたもうた全智の造り主の助けを受けなかったならば、かならず今日まで奴隷の境涯に止まっていたにちがいない。
しかし、かれらはその造り主の御前にへりくだったから造り主はかれらを助けたもうた。またかれらが大いにその造り主に嘆願をしたから、造り主はかれらを奴隷の境涯から救い出したもうた。どの場合にも、このように主はその大きな能力をもって世の人の間に働きたまい、主にたよる者に憐みの手を伸したもう。
見よ、民はひどく争い戦い、多くの血を流さなければ悪い王をやめさせることができない。
なぜならば、その悪い王には同じような罪悪を犯している悪い友がありまたいつも護衛の兵をつれている。かれは自分の前に正義を以て国を治めた人の法律を廃し、神の命令を足の下にふみにじり、
自分の罪悪にかなう法度を立ててその民に発布し、その法度に従わない者はみなこれを殺させ、自分に背く者と戦うために軍隊を出し、できるなら反対者を亡ぼす。このように正しくない王はあらゆる正しい道を曲げるのである。
見よ、このような悪事が汝らにあってはならない。
従って汝らはわれらが先祖から受けた国法によって裁判をされるよう、民の投票によって判事らを選べ。先祖から伝わった国法は正しいものであって、主がわれらの先祖に賜うたものである。
民の大半が不正なことを求めるのは稀であるが、その少数が不正なことを求めるのは普通にある。故に汝らはよろしく民の賛成同意を得てまつりごとを行うことを国法の一つとして守れ。
もしも民の大半が悪を選ぶ時がくるならば、これは神の裁きが汝らに下る時であって、神がこれまでこの地を破壊したもうたように、大いに汝らを破壊したもう時である。
もし汝ら普通判事があるのに、この普通判事がすでにきまった国法に従って汝らを裁判しなかったならば、汝らはその普通判事を高等判事の裁判に附することができる。
またもし高等判事たちが正当に裁判をしないならば、汝らは少数の普通判事らを集めて、これらに民の賛成同意を得させて高等判事らを裁判させよ。
われは汝らが主を畏れながらこれらのことをして王をもたないように命ずる。もしこの民が罪を犯して悪事を行うならば、その罪悪の責めはこれを行う者に帰せよ。
多くの国の民の罪はその王の悪事によって生じたのである。故にその罪はこのような王に帰する。
そもそもわれはこの後この地、とくにこのわが民の中にこのような階級の不同がもうこれからないことを望み、また主が生きてこの地を保つことをわれらに許したもう間、ならびにわれらの子孫がこの地に生きながらえる間、この地が自由の国となり、人がみな等しく権利と特権とを受けてこれを行使することを望む」と。
モーサヤ王はこのほか多くのことをその民に書き送り、正しい王の困難と憂いと民のためを思う心の苦しみと、民が王に訴えるいろいろな不平とを書いて明らかにこれを説明し、
このようなことがあってはならないことと、全国民が責任を分担して、人はみな自分の責任を負わねばならぬことを話し、
また不正な王が治める時にその民の受ける不利益と、
不正な王の悪事、憎むべき行い、戦争、不和、流血、盗み、掠奪、みだらな行いそのほか一々あげて数えきれないもろもろの罪悪とを述べ、このようなことがあってはならないことを話して、これらが明らかに神の命令に背くものであると言った。
モーサヤ王がこの布告書を民の間につかわしたところ、民は王の言葉を本当であると認め、
王を持とうとする望みをすてて、全国の民がみな平等の機会を得ることを熱望するようになり、各人がみな自分の罪の責任を受けることを承諾した。
ここに於て、国民は先祖から伝わった国法によって自分たちを裁判する判事となる人々を投票で選挙するために、国中各所に固まって集まったが、みなすでに与えられた自由を非常に喜んだ。
かれらはモーサヤ王を愛する情がいよいよ深くなり、だれよりも一番王を敬った。かれらは王が身も霊も汚す利益をむさぼる暴君であるとは思わなかったからである。王は民の宝を取り立てず、人の血を流すことを楽しいと思わず、国内に平和を布き、その民をあらゆる束縛から救った。従って民は本当に限りなく王を敬った。
さてモーサヤ王の民は自分たちを治め、国法によって裁判する判事を選んで任命し、全国を通じてこのようにした。
このときアルマは第一の大判事に任ぜられたが、またかれは大祭司でもあった。アルマの父はかれに大祭司の職務をゆだね、教会のあらゆる事を取り計う権限を与えた。
アルマは主の道を歩み、主の命令を守り、正しい裁判をしたから国中たえず平和であった。
判事たちがゼラヘムラの全地を通じて、ニーファイ人と呼んだ民を治める時代はこのようにして始まり、アルマはその最初の大判事であった。
アルマの父は全く神の命令をなしとげるまで生き永らえ、八十二才で亡くなった。
モーサヤ王もその在位の第三十三年に年六十三で亡くなった。時はリーハイがエルサレムを去ってからすべてで五百九年であった。
これでニーファイの民を治めた代々の王の治世時代が終り、民の教会を創立した人アルマの生涯もまた終った。

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