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2024年4月17日(水) 通読(本日=詩60-62,二マカ5,アル2 明日=ヨブ41-42,ユディ7,アル3)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕モルモン経序文類 第5章
モルモン経の起原

ジョセフ・スミスは神の力と賜とによって、モルモン経と呼ばれる古代の聖典を世に出しこれを英語に翻訳した人であるが、かれはその事について一身上のくわしい記録を著した。
そしてスミスは、千八百二十三年九月二十一日の夜中に、熱烈な祈りを捧げて主を尋ね求め類いなく重要な神の顕現を確かに受けた、と言明した。かれの記録は次の通りである。
「かように私が神に呼び求めている間に、私は室内に一種の光が現われるのを見つけた。その光は次第に明るさを増して、ついには室中真昼よりも明るくなった。その途端に一人のお方が空中に立って私の寝台の側に現われた。それは、そのお方の両足が床から離れて居たからである。
このお方は世にも妙なる白色のゆったりした衣を着て居りたもうた。そして、その衣の白さといえばいかなるこの世の白さをも絶した白さであった。また私はいかなるこの世のものも、あれ程すぐれて白く輝いて見せることができたとは思えない。このお方の手も腕も露わであって、衣の袖は手首の少し上まで、またその足も露わであって衣の裾は足首の少し上までしかなかった。その頭も首も露わであってゆったりした衣だけを着けておられるのを見つけることができた。そして胸のあたりははだかって、ふところまで見得る程であった。

この衣が世にも白かったのみならず、またこのお方の全身は筆にも口にも絶した輝きに充ち、御顔は誠にいなずまのように輝いていた。室内は非常に明るかったが、このお方の体のすぐ周りは特別によく光り輝いていた。私が始めてこのお方を仰ぎ見た時は恐れを感じたが、すぐにその恐れは去った。

このお方は私の名を呼びたまい「われは神の御前より汝に遣わされし者にしてわが名をモロナイと言い」、「神は汝に一つの事を成し遂げさせんとして居りたもう」、また「汝の名は、あらゆる国民、あらゆる血族、あらゆる国語の民の中に善くも悪しくも覚えられ、あらゆる人々の中に善くも悪しくも語らるべし」と言いたもうた。

またこのお方は私に、アメリカ大陸の先住民の記録とその起源とを金版に刻んだ一部の書物が埋められてあって、その中には古代の住民に救い主がお伝えになったままの、完全な永遠の福音が載せてある、と告げたもうた。
また銀の蔓にはめた二個の宝石があって金版と共に埋めてある。これらの宝石は一つの胸当に附けてあって、いわゆる「ウリムとトミム」を成す。そしてこれらを持って使った者が、古代すなわち先の時代の「聖見者」となったのであり、かの書物を翻訳するために神はこの宝器を予め備えて置きたもうたのである、と仰せになった。

また宣うた「汝前にわが語りたるかの金版を得たる暁には――かの金版を得べき日は、いまだ実現せざればかく言うなり――これらの版は何人にも示すべからず。かの「ウリムとトミム」の附属せる胸当もまた然り。ただこれらを示すべしとわが命ずる者にのみ見すべし。もし余人に見する時は汝滅ぼさるべし」と。
このお方が私にかの金版のことを話しておりたもう中に、私の心の中に示現が開けて来て、金版の埋めてある場所を見ることができた。しかもまことに明瞭に見ることを得たから、その後実際にその場へ行った時にはすぐにそれと知れた。

このお方との交通が終ってから、私は室内の光が先ほどから私と話をして居りたもうたお方のすぐ身のまわりへ次第に集まって行き始めるのを見た。次第次第に光は縮みつづけてついに室内は再び暗くなってしまったが、そのお方の体のすぐ周りだけは光り輝いていた。その途端に私は、あたかも一条の通路が突如天に向って開くと見たが、このお方はそれを昇っていってついに全く姿が見えなくなり、室内はこの天来の光明が現れる前の暗黒に帰っていた。

私はこの場の奇異な有様を冥想しつつ、またこの世の常でない使者によって私に告げられたことを、非常に驚きあやしんで横になっていたが、私が沈思黙考している最中に、突然また室の中が明るくなり出したのを見つけた。そして言わば突如として、また同じ天の使者が私の床の側におられたのである。

この使者は語り始めて最初に訪れた時に語ったところと全く同じ事を再び一言一句違えずくり返して告げ、その後で私に飢饉、戦争、疫病などによるはなはだしい荒廃を伴って、この地上に今や来らんとする大いなる審判に就いて告げ、この悲しむべき審判が今の代に於て地上に来ることを告げ、これらの事を述べ終ると先の通りにして再び天に昇って行きたもうた。

今はもう心に受けた印象が余りに深かったため、眼はさえて眠れず私はこれまで見たり聞いたりしたことにただもう驚きのあまり横になっていた。しかし、また私の床の側に同じ使者を見、その使者が前の通りにこの同じ事を私に一々くり返してお話しになるのを聞いた時の私の驚きはいかばかりであったか。この使者は私に一つの警告をつけ加えて、私の父の家族は貧しいから、サタンが私を誘って金持になるためにかの金版を手に入れさせようと試みるであろうと言われた。また「かの金版を得るに就きては、汝は神の栄えを現わす以外の目的を心に持つべからず、また神の王国を打建てんとする以外の動機に左右せらるべからず。然らずんば汝はかの版を手に入るる能わず」と禁じて言いたもうた。

この三度目の訪れを終ると、このお方は以前のように天に昇って行かれ、私はたった今経験したことの不思議さに独り思いを廻らしておった。この天の使者が三度目に私を離れて天に昇って行きたもうやほとんどすぐににわとりがときを告げたので、私はもはや暁も間近いことを知った。それであるから私は一晩中、天の使者と会見していたに相違ない。

私はそれからじきに寝床から起きて、平常通りその日のせねばならぬ仕事に出かけて行ったが、いつもの日のように仕事にかかってみたものの私は全然仕事をする力がないほどからだが疲れているのに気が付いた。私と相並んで働いていた父は、私の体具合が悪いと見て家へ帰れと言った。そこで私は家へ行くつもりで出かけたが、私たちの居た畑から垣根を越して出ようとしている中に、全く疲れ果てて私はぐったりと地に倒れ、暫くの間全然気を失っていた。

始めて気がついたことは、私の名を呼んで話しかける声がすることである。仰いで上を眺めると、かの同じ使者が前のように光に包まれて私の頭上に立ちたもうのが見えた。それからこの使者は、また前夜私に話した通りのことをすっかり語り、父のところへ行って私の見た示現と、私の受けた戒めのことを語れと命じたもうた。

私はこれに従った。私は、畑に居た父のところへ帰って行って事情をすっかりくわしく物語った。すると父は私に、これはまさしく神ごとであると言い、その使者の言いつけ通りに行ってせよ、と答えた。私は畑を去って、さきに使者が告げてかの金版が埋めてあると言った場所へ行った。ところで、その場所はさきに示現の中でありありと見えたから、そこへ着くとその個所がすぐにそこだと私にわかった。

ニューヨーク州、オンタリオ郡、マンチェスターの村近くに、かなりの大きな丘があるが、それはその界わいきっての高い所である。この丘の頂上からあまり遠くない西側の所にかなりの大きな石があって、その下にある一つの石の函の中にかの金版が置かれてあった。この石は表面がなか高で円くへりに行くに従い薄くなっていたから、石の中央部は地上に現われていたが、へりの方はみんな土に覆われていた。
私はその上をとりのけててこを一本手に入れ、これを石のへりにさし込んで、ちょっと力を入れてこの石を持ち上げた。そして中をのぞき込むとはたしてかの使者が言われた通り、金版、「ウリムとトミム」、胸当の三品がありありと私の目に見えた。これらの品々が納まっていた函は、一種のセメントを使って石を積み上げ、これを箱に造ったもので、その函の底に横向きに二個の石が置かれ、この石の上に金版やその他の品々がいっしょにのせてあった。

私はそれを函から取り出そうとしたが、あの使者にとめられた。この使者は私にこれらの品を世に出す時節はまだ来ていない。またこの後四年たたぬとその時節が来ないと告げたもうた。しかし使者は私にその時からまる一年目の日にその場所へ来るように、そうすれば使者もまたここで私に逢うであろう、そして金版を手に入れる時が来るまでは、毎年そのことをつづけよと言われた。

私は使者の言いつけ通り、まる一年目毎にそこへ行くと、その度毎に同じ使者がそこに居りたもうた。そして逢う度毎に、主が為そうとして居りたもう事がらや、神の王国がどうして、またどんな風にこの末の世においてこれから指導されて行くべきかに就いて、使者から指示や通知を受けた。
*******

そのうちにとうとう、かの金版、「ウリムとトミム」、胸当の三品を手に入れる期日がやってきた。千八百二十七年の九月二十二日、私はいつもの通り満一年目の日に、この品々の埋まっている場所へ行ったところ、あの同じ天の使者は次のような責任と共にこれらの品々を私に引き渡した。すなわち、私はこの品々について保管の責任を持たねばならない。私が万一不注意か自己の怠慢によって、これを失うならば私は絶ち滅ぼされる。しかし、私がもしこの使者がまたこの品々を取りに来たもう日まで全力を尽して保存するならば、これらの品々は護られるのである、と言うのであった。

私は間もなくその品々を安全に保存するために何故使者がこの様な厳しい責任を課したか、また私自身に要求されたことが成し遂げられた暁に、使者がこれを取りにくるぞと言いたもうたわけが解った。それは、私がその品々を手に入れた事が知れるや否や、あらゆる計画がめぐらされた。迫害はいよいよ激しくなり、多くの人々は隙あらば私からこれらの品を取ろうとたえずうかがった。しかし私に命ぜられた事がこれらによって成就すめまでは、神の知恵によってこれらは安全に私の手中にあった。そしてかねての打合せ通り、使者がこれらを受け取りに来たもうた時、私はこれらの品を使者に引き渡した。それでそれらは、千八百三十八年五月二日,の今日に至るまでなお使者の御手の中にあるのである」。

完全な記録を知るためには、「高価なる真珠」(英文)の第五十頁より第五十四頁までと、末日聖徒イエス・キリスト教会史(英文)、第一巻、第一章より第六章までとを参照されたい。

塵の中から語る一つの民族の声として、土の中からかようにして世に出され、神の断言によって証明された通り、神の賜物と能力によって近代語に翻訳されたこの古代の記録は、モルモン経として千八百三十年にはじめて世間に出版された。


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