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2024年4月20日(土) 通読(本日=ルカ5-6,1イミ21,クル-42回 明日=二コリ11-13,3イミ21,アル4)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕アルマ書 第43章
第43章
再びレーマン人が侵入する。モロナイとリーハイの軍、敵軍を包囲してこれを破る。

さて、アルマの息子たちは神の道を民に宣べるために出立をしたが、アルマもまた休むことができないから道を宣べるために出かけて行った。
私はこれらの者が予言と啓示の「みたま」により、また自分らが任ぜられた神権の職に従って神の道と真理とを宣べ弘めたことを誌すだけで、これ以上これらの者の伝道については何も誌さないことにする。
さて私は判事治世の十八年目に行われたニーファイ人とレーマン人との戦の記事にかえろう。
ゾーラム人はレーマン人と成った。それであるから、十八年目の始めのころニーファイ人はレーマン人が自分たちを攻めるために出てくるのを見て、戦の準備をしてジェルションの地にその軍勢を集めた。
レーマン人は数千人の兵を以てゾーラム人の住むアンテオーヌムと言う所へ入ってきたが、その司令長官の名をゼラヘムナと言った。
アマレカイ人は、元来性質が正統のレーマン人よりも悪事と殺伐なことを好んだので、ゼラヘムナがレーマン人の軍を指揮する大士官に任命した者たちはみなアマレカイ人かゾーラム人であった。
ゼラヘムナがこのようにしたのは、レーマン人を煽動してひきつづきニーファイ人を憎ませ、またレーマン人を従わせて自分の志を成就するためであった。
ゼラヘムナの志は、レーマン人を煽動してニーファイ人に対して怒らせ、そしてレーマン人を支配する大きな権力を奪い、またニーファイ人を奴隷にしてこれもまた支配する権力を得ることであった。
ニーファイ人の志すところは、自分らの所有する土地、家屋および妻子たちが敵の手に落ちないようにこれらを保護することであって、また自分らの権利と特権とを護り、思うままに神を礼拝できるように自分らの自由を護ることであった。かれらはそのために戦った。
それは、もしもレーマン人の手に落ちたならば、精神をこめ真心を以て、真の生ける神を礼拝する者がみなレーマン人に殺されることを知っていたからである。
また、レーマン人がその同胞であってアンモンの民と言われているアンタイ・ニーファイ・リーハイ人を極度にうらんでいることと、またアンモンの民が誓約を結び堅くこれを守って武器をとることをどうしても聞かなかったから、かれらがもしもレーマン人の手の中に落ちたなら必ず亡びてしまうことをニーファイ人は知っていたからである。
ニーファイ人はアンモンの民を亡びさせないで、その住むべき土地をかれらに譲り与えていたが、
その代りにアンモンの民は自分たちの財産の大部分をニーファイ人に納め、これでニーファイ人の軍の給養を助けていた。このようなわけでニーファイ人は、レーマンの子孫とレミュエルの子孫とイシマエルの息子たちの子孫とニーファイ人から分離してアマレカイ人またはゾーラム人と成った者たちとノアの祭司の子孫、以上から成るレーマン人と対抗して独りで戦わねばならなくなった。
ノアの祭司らの子孫の数はニーファイ人の数とほとんど同じであったから、ニーファイ人はその同胞と血を流すほどの戦をするほかはなかった。
レーマン人の軍はアンテオーヌムの地に集ったが、これと共にニーファイ人の軍はジェルションの地に戦の準備をしてレーマン人の軍を待った。
ニーファイ人の全軍の総督すなわちその司令長官に選ばれた人をモロナイと言った。ニーファイ人の軍では司令長官が全軍を指揮する組織であった。
それでモロナイは全軍を指揮して戦争のことをすべて司どったが、ニーファイ人の司令長官に選ばれた時には、その年僅か二十五才であった。
さてモロナイとそのひきいる兵はジェルションの地の境でレーマン人と出逢ったが、その兵は剣、太刀、そのほかあらゆる武器を携えていた。
レーマン人の軍は、モロナイがニーファイの民に胸当と腕楯とを着けさせ、かぶとをかぶらせ、またかれらに皆厚い衣を着けさせているのを見たので、
ゼラヘムナの軍はニーファイ人のように戦の装いをせず、胸当も楯も着けず、ただ剣、太刀、弓矢、投石器などだけを持ち、ゾーラム人とアマレカイ人のほかはみな腰にまとった皮のほか全くはだかであって、
胸当も腕楯も使って武装して居なかったから、自分の軍がニーファイの軍よりもはるかに多かったのに、ニーファイ人の戦の装いを見て非常に恐れをなした。
これによって、ゼラヘムナの軍はジェルションの地の境でニーファイ人と戦をする勇気を失い、アンテオーヌムの地を立ち去って荒野へ退いた。そしてもはやモロナイの軍はその行方を知るまいと思い、マンタイの地へ行ってこれを占領するために荒野の道を廻ってサイドン川の源の近くに進軍をした。
しかしモロナイは、レーマン人が荒野へ退くとすぐに間者を荒野へ出してレーマン人の陣営をうかがわせた。モロナイはまたアルマの予言の評判を知っていたから、使者をアルマの所にやってニーファイ人の軍はレーマン人を防ぐためにどこへ行ったらよいか主に伺ってもらいたいと言わせた。
アルマは主に伺ってその答を受け、レーマン人の軍はマンタイの地へ行って人民の防禦の足らない所を攻めるために、いまちょうど荒野の道を廻って進んでいることをモロナイの使者に教えたので、使者たちは帰ってアルマの伝言をモロナイに聞せた。
ここに於てモロナイは、レーマン人が何らかの方法で自分が今居るジェルションの地へ侵入してきて都市を占領するといけないと思い、軍の一部をその所に留め、のこりの兵を率いてマンタイの地へ行った。
マンタイの地に着くと、モロナイはその近くに住む一切の人々にレーマン人と戦って自分たちが所有する土地と国と権利と自由とを護るために集合させた。それであるから、かれらはレーマン人が来るまでに十分戦備をととのえて待っていた。
モロナイは荒野にあるサイドン川の西に当る川岸の近くにある谷間にその軍を隠し、
レーマン人の軍勢の来ることが知れるように、ところどころに間者を置いた。
モロナイは、レーマン人がニーファイ人をあるいは亡ぼしあるいは服従させてこれを奴隷とし、全地を征服して自分らが司どる一国にするつもりで戦うことを知っていた。
モロナイはまたニーファイ人がその所有する土地と自由と教会を護るためにだけ戦うことも知っていたから、ニーファイ人を守るために謀ごとを用いても罪ではないと考え、間者を使ってレーマン人のとるべき方向を探り知った。
それでモロナイは兵を分けてその一部を谷へ率いて行き、この兵を東の方リツプラ山の南に隠し、
サイドン川の西に当る西の谷に於て、マンタイの地の境に至るまでここかしこに残りの兵を隠しておいた。
このようにモロナイは自分の思うように軍を配置し、レーマン人と戦う備えをしてその来るのを待っていた。
とうとうレーマン人はモロナイの軍の一部が隠れているリツプラ山の北の方へ進んで来たが、
リツプラ山を過ぎて谷に入り、サイドン川をわたり始めた時に、リツプラ山の南に隠れていた軍はリーハイと言う人に率いられて東の方からレーマン人の背面をとり巻いた。
しかし、レーマン人はニーファイ人の軍が後から攻めてくるのを見ると、身を転じてリーハイの軍と戦を開いた。
そして両軍ともようやく死者を出したが、レーマン人の方がずっと多くの死者を出した。なぜならばニーファイ人が、触れると人を殺す剣と太刀とで烈しく撃ってくるところを、レーマン人ははだかでこれを受けたからである。
それに反してニーファイ人は、レーマン人に急所を打たれないように胸当と腕楯とかぶとでこれを覆っていたから、稀に敵の刃にかかり血を失って倒れたばかりであった。このようにニーファイ人は大いにレーマン人の兵を殺した。
そこでレーマン人はその死傷者が多いのを見て、怖れてサイドン川の方へ逃げ始めた。
しかし、かれらはリーハイとその兵とに追撃せられ、とうとうサイドン川の水の中へ追いこめられたので、サイドン川を仕方なく渡った。しかし、リーハイは川の岸に自分の兵を止めてこれに渡ることを許さなかった。
一方、モロナイとその兵とはサイドン川の向うの谷間でレーマン人の軍を迎え、これを攻めて殺し始めたので、
レーマン人の軍はまた逃げ出してマンタイの地方へ行こうとしたが、またまたモロナイの軍と出逢った。
それで、このたびはレーマン人の兵も必死に戦った。まことにレーマン人はいまだかつてこのように力をふるい勇気を出して戦ったことはなかった。
レーマン人は、その長官たちまたは上級士官たちであるゾーラム人とアマレカイ人と、その総督でまた司令長官であるゼラヘムナとにはげまされ、龍のように激しく戦ったので多くのニーファイ人がその手に殺された。まことにレーマン人の兵はニーファイ人のかぶとを多くうち割り、多くの胸当を突き抜き、多くの腕を切り落し、烈しく怒って戦った。
しかし、ニーファイ人が戦ったのはレーマンよりも善い動機にはげまされたのであって、王政を立てるためでもなく、また権力を得るためでもなく、実に自分の家と自由と妻子、持物、礼拝の儀式および教会を護るためであった。
また神に尽す義務であると思ったことをしたのであった。それは主が「汝らはたとえ自分より害を加えず、また一度害を加えらるるときに戦をいどまざるに、二度まで敵に害を加えらるるときには、身を敵にゆだねて甘んじて殺さるるごときことあるべからず」とかれらやかれらの先祖に命じたまい、
また「汝らその家族を守るためにやむを得ざる場合には、よろしく血を流しても家族を守れ」と命じたもうたから、自分の家族、所有の地、国、権利、宗教を護るためにレーマン人と戦ったのである。
モロナイの兵はレーマン人が猛烈であってひどく怒っているのを見ると、しりごみをして逃げ出そうとしたが、モロナイはその心を見抜き、かれらにその所有の地と自由と奴隷の境涯から救われた有様とを思い出させるために使者を送ってこれを勇み立たせた。
その時、ニーファイ人の軍はレーマン人の軍の方に向い、声を合せて自分らの自由を守り奴隷の境涯をまぬかれて下さるよう、その神である主に祈った。
するとかれらはたちまち大いに勇気を得てまたレーマン人に対抗し、同時に自由を守りたもうよう主に願い始めたので、この頃レーマン人はニーファイ人から逃げ出し始め、サイドン川の岸まで退いた。
さて、レーマン人の兵はニーファイ人の兵よりも倍以上あったけれども、手ひどく追いせまられたのでついにこの谷でサイドン川の岸に集り、連合して一体となった。
こう言うわけで、リーハイの兵が川の東に居たからモロナイの軍は川の両岸でレーマン人の軍をとり囲んだ。
ゼラヘムナの軍は、リーハイの軍が川の東に居って、モロナイの軍が川の西に居るのを見て、自分の軍がニーファイ人にとり囲まれたのを知り、ふるえおののいた。

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