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2024年4月19日(金) 通読(本日=エレ42-46,バル2,クル-41回 明日=ルカ5-6,1イミ21,クル-42回)

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節表示・修正口語訳(日本語R)+真理子のおまけ 解題
〔57年モルモン経〕ニーファイ第三書 第3章
第3章
国の統治者ラコニーアス、強盗団の首領ギデアンハイから手紙を受け取る。降服を要求される。ラコニーアス、降服の要求を無視して防衛の備えをする。

キリスト降誕紀元第十六年に、国の統治者ラコニーアスは強盗団の首領でその支配者をしている者から手紙を受け取った。その手紙には次のように述べてあった。
「国のいと貴い統治者ラコニーアスよ。われは汝にこの手紙を送り、汝も汝の臣民も共に自己の権利と自由と思うところを確乎として固く守ることを大いに賞めたたえる。汝らは自分で『わが自由』と言い、『わが所有』と言い、また『わが国』と言うものを守るに当って、あたかも神の手に助けられるかのように堅固である。
しかし、いと貴いラコニーアスよ。汝らがわが指揮する多数の勇士に向って抵抗することができると、愚にもまた無益にも考えているのはあわれなる次第である。今やわが勇士はすでに武装をし、ニーファイ人の所へ出陣してかれらを亡ぼせと言うわが命令を待ちわびている。
われはすでにわが勇士を戦場で試験して、その何物にも負けない精神を知り、また汝らがかれらに加えた多くの不正があるために、かれらは汝らに対して永久に消えぬ怨みを抱いていることを知っている。従って、一たびかれらが汝らを襲えば、汝らは必ず全滅させられるであろう。
それであるから、われは汝らが自分で正しいと思う道を堅く守ることと、戦場に於ける汝の気高い精神に感じて汝の福利を思うから、この手紙を書いて手づからこれを封じ汝にこれを送る。
汝らはわが味方の刃にかかって亡びるよりは、むしろ汝らの都市、汝らが所有する土地および汝らの持物をことごとくわが味方に譲りわたす方がよい。われは汝らにそうしてもらいたいためにこの手紙を送る。
要するに、われは汝らにわれらに負けてわれらと連合し、われらの秘密の仕事をよく覚えて奴隷となれと言うのではない。われらの味方すなわちわれらと同様の者になって、われらの一切の持物を共有する団員になってほしいと言うのである。
汝らがこのようにすれば、われは誓いを立てて汝らが亡ぼされないことを保証する。もしならないならば、われが来月命令を下してわが軍を汝らに向って進軍させることは誓って確である。わが兵が進むならば、汝らの命を助けることなく汝らを殺し、剣を下して汝らを全滅させるであろう。
見よ、われはギデアンハイと言ってガデアントン秘密結社の支配者である。本結社とその行いは善良であってその起源は古く、代々伝わってわれらに至っている。これはわれがよく知っているところである。
ラコニーアスよ。われはこの手紙を汝に送り、汝らが血を流さずにその所有する土地と持物とを譲りわたし、わが味方である本団員が、正当に持っているはずの権利と政権とを元通り再び持つようになることを要求する。汝らはわが団員が正当に持っているはずの政権を許さなかった。その悪事のためにかれらは汝らと別れたのである。従って、汝らがもしここにあげた要求に応じないならば、われは団員が受けた不正な取り扱いに対してその仇を汝らに返す決心である。われはギデアンハイである」と。
この書面を受け取るとラコニーアスは、ギデアンハイがニーファイ人の所有している土地を譲りわたせと要求し、国民をおびやかして仇を返すと言ったその心の大胆さに驚いた。なぜならば不正の取り扱いを受けたとギデアンハイが言った者たちは、自分から謀叛をしてあのよこしまな憎むべき強盗の群に加わったことによって、自分たち自身を不正に取り扱った以外に、ほかから何らの不正に取り扱いを受けなかったからである。
しかし、統治者ラコニーアスは義しい人であって強盗の要求と脅迫とを恐れなかったから、強盗団の支配者であるギデアンハイの手紙に耳もかさず、強盗らが出陣して国民を攻めてくる前に主が自分らに力を与えたもうよう民に祈りをさせ、
また全国の民にふれを出して、土地を除くほか女子供、家畜そのほか一切の所有物を一箇所に集めよと言った。
かれはこのようにして集った者のまわりにとりでを築いてこれを堅固に固めさせ、昼も夜もかれらを強盗から守るためにニーファイ人の軍とニーファイ人の中に数えられるレーマン人の軍とを置いた。
そうしてラコニーアスは民に告げて言った「お前たちは自分のした悪事を一切悔い改めて主に歎願しなければ、どうしてもこのガデアントン強盗団の手から救われることはできない。これは主が生きてましますように確なことである」と。
ラコニーアスの言葉と予言には不思議な大きい力があったから、民はみな恐れを生じてラコニーアスの命令通り力の限りを尽した。
強盗の軍勢が野の方から攻めてくる時、ラコニーアスはニーファイ人の兵を指揮するためにニーファイ人の各軍にみな司令官を任命したが、
すべての司令官の頭に立ってニーファイ人の連合軍の司令長官となる者も任命された。この人はその名をギドギドーナイと言ったが、
ニーファイ人は民が罪悪に沈んでいる時のほか、啓示と予言の「みたま」を有つ人を司令長官に任命するのがその習わしであった。従ってこのギドギドーナイは民の中の大予言者であった。大判事もまたそうであった。
このとき民はギドギドーナイに言った「主に祈りたまえ。われわれが山と野に進んで行って強盗を襲い、かれらの領内でこれを亡ぼすようになしたまえ」と。
ところが、ギドギドーナイは答えて言った「主はそうすることを許したまわない。われわれがもしも強盗へ攻めて行くならば、主はわれわれを強盗の手にわたしたもうであろう。それであるから、われわれはわが国の中央で準備をととのえ、あらゆる軍勢を集めよう。強盗へ攻めて行かないで、むしろ強盗が攻めてきて戦う時を待つことにしよう。そうすれば、主が生きてましますように確に主は強盗をわれわれの手に授けたもうにちがいない」と。
第十七年の末にラコニーアスのふれはすでに全国いたるところに及び、民はその馬、車、あらゆる家畜、穀類そのほか一切の持物を携えてあるいは幾千人、あるいは幾万人づつ進んできて定められた土地へ行き、ついにみな敵を防ぎ守るために定められた土地に集合した。
民が集合する所と定めてあった土地は、ゼラヘムラの地とバウンテフルの地であった。すなわち、それはゼラヘムラの地からバウンテフルの地とデソレションの地との境界に至る土地であった。
そして、ニーファイ人と呼ばれる民が何万人となくここへ集った。さて、ラコニーアスが民を南の地に集めたのは、北の地に大きなのろいが下ったからである。
民はここに於て敵を防ぐために自分らのまわりを固め、一かたまりになって同じ土地に住んだが、ラコニーアスの言った言葉を忘れずにこれを恐れて自分らの犯した一切の罪を悔い改め、自分の神である主に祈りを捧げ、敵が攻めてきて戦う時に神が自分らを救いたもうように願った。
民はまたその敵のために非常に心を痛めたが、ギドギドーナイは民にあらゆる武器を造らせ、また自分が教えた流儀のよろいと楯とで身を固めさせた。

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