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第20章 パンと葡萄液が奇跡的に与えられて再び群集にわかたれた。ヤコブの残りの子孫。救い主、自分はモーセの如しと示された予言者であると言いたもう。多くの予言者の言葉を引きたもう。 イエスは群衆と弟子たちに、祈りをやめよと言いたもうたが、しかし汝ら心の中にて祈ることはこれをやめるなと言いたもうた。
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そこで起ち上れと仰せになると、かれらはみな起ち上った。
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すると、イエスはまたパンを裂いてこれを祝して弟子たちに食べさせたもうた。
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弟子たちが食べ終ると、イエスは弟子たちにパンを裂いて群衆に与えよと仰せになった。
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そして、弟子たちがパンを群衆に与えると、イエスは弟子たちに葡萄液を飲ませ、群衆にもこれを与えよと弟子たちに仰せになった。
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さて見よ、弟子たちも群衆も誰一人パンと葡萄液とを持ってきていなかったが、
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イエスは本当にパンと葡萄液とを皆の者に与えて仰せになった。
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「このパンを食う者はわが体(のしるし)を食いてその身も霊も養い、この葡萄液を飲む者はわが血(のしるし)を飲みてその身も霊も養うにより、その身も霊も飢え渇くことなく、常に飽きてあらん」と。
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群衆はみなパンを食べ葡萄液を飲むと「みたま」に満され、一同声をそろえて皆が見たイエス、皆が聞いたイエスを崇めた。
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群衆一同がイエスを崇めると、イエスはかれらに「見よ、われは御父がイスラエルの家の残りの子孫なるこの民につきてわれに授けたまいし命令を今果さんとす。
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イザヤの言葉は書き記されて汝らの前にあり、汝らこれを研究せよ。われがさきに汝らに向い『イザヤの言葉の真実となるべき時に』と言いしことは汝らいまだ記憶するところなり。
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われ汝らに告ぐ、イザヤの言葉事実となる時は、御父がすでにその民なるイスラエルの家と結びたまいし誓約実行さるる時なり。
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その時になりて、世界のここかしこに散らされたるイスラエルの家の残りの子孫たちは東西南北より集められ、かれらを贖いたまいしその神なる主を知るに至るべし。
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われがこの地を汝らに与えて汝らの受け嗣ぎの地となすは御父の命令なり。
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汝らに告ぐ。異邦人わが民を散らしたる後、その受くべき恵みを受けたる後にもし悔い改めずば、
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ヤコブの家の残りの子孫なる汝らは異邦人の所に行きてその中にあるべし。異邦人の数は多けれど、汝らはかれらの中にありてあたかも森の獣の中に在る獅子のごとくまた羊の群の中に在る若き獅子のごときものとなる。若き獅子は羊の群の中を通り過ぐるときこれを踏みにじりまたこれを食い裂く、而してこの群を救い得るもの誰もなし。
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汝らの手は汝らに反抗する者の上に落ち、汝らの敵はことごとく亡びん。
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人その麦束を打ち場に集むるごとくに、われはわが民を集めん。
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われはまた、御父の誓約を受けたるわが民の角を鉄とし、そのひずめを真鍮とす。故に汝ら多くの民をうち砕くべし。而してわれはその多くの民の所得をとりてこれを主に捧げ、その所有する物をとりてこれを全世界の主に納めん。見よ、これをなす者はすなわちわれなり。
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御父は宣う『その日にわが正義の剣、異邦人のの上にかかるべければ、異邦人より成る国民すべて悔い改めずんばこの剣はかれらの上に落ちん』と。
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われはわが民なるイスラエルの家を回復し、
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またわれがこの地に居る民の先祖なるヤコブと結びし誓約をことごとく果すため、汝らの子孫をしてこの地を治むる者としていつまでも住まわせこの地を新エルサレムとなさん。また天の権と力とはこの民の中にあり、われもまた汝らの中に在るべし。
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見よ、モーセの言葉に『汝らの神なる主は、汝らの兄弟の中よりわれの如き一人の予言者を汝らのために起したもう。かれの汝らに語るところは何事にてもあれ汝らことごとくこれを聞くべし。この予言者に聞かざる者はことごとく民の中より断ち切らるべし』とあり。モーセがかくの如くあらかじめ示したる予言者とはすなわちわれなり。
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まことに汝らに告ぐ、サムエルの前に来りし予言者たち、およびサムエルの後に予言をしたるすべての者たちは皆われのことを証せり。
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汝らは予言者の子孫なり。イスラエルの家に属する者共なり。また御父はアブラハムに『汝の子孫によりて世界の眷族ことごとく祝福を受くべし』と言いて汝らの先祖と誓約を結びたまいしが汝らはその誓約に与る者共なり。
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御父はわれを立ててまず汝らに遣わしたまえり。こはわれに汝らをして各々その罪悪より遠ざからしめ汝らに恵みを与えしむるためにして、また汝らが誓約にあずかる者共なるが故なり。
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汝らが恵みを受けてより御父は『汝の子孫により世界の眷族ことごとく祝福を受くべし』と仰せになりてアブラハムに立てたまいし誓約を果すためわれによりて異邦人に聖霊を授けたもう。異邦人はかように聖霊を授けらるるためどの民にもまさりて強くなり、わが民なるイスラエルの家を散らし、
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またこの地の民を責め苦しむるものとなるべし。されどかれらがわが完全なる福音を受けてより、もしわれに対してその心を頑なにする時あらば『われはかれらの罪悪を各々に報ゆべし』と言う御父の言葉と、
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『その時われはかつてわが民に立てたる誓約を果すべし。その誓約はわが心にかなう時にわが民を集めて、その先祖の所有せし土地、すなわち永遠にかれらに約束したる地なるエルサレムの地をかれらの受け嗣ぎの地としてかれらに返すと言うことなり』と言う御父の言葉は成就すべし。
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而してイスラエルの家の人々にわが福音を完全なるまま宣べ伝うる時将来にあり。
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その時かれらはわれを信じ、われが神の子、イエス・キリストなることを認め、わが名によりて御父に祈るに至るべし。
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その時、かれらの番人らは心を一つにし、声をそろえて高らかに歌わん。
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またその時御父は再びかれらを集め受け嗣ぎの地としてエルサレムをかれらに与えたもう。
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その時来らばかれらは喜びを押うる能わず。エルサレムの荒れすたれたるところよ。御父がその民をなぐさめ、エルサレムを贖いてこれを回復したまいし故に共に歌を唱え。
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御父はその聖き力を万国の民の目に現わしたまいし故に、世界の隅々の人々までことごとく御父の与えたもう救いを見る。御父とわれとは一つの神会をなす。
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されば記されたることは成就すべし。そは次のごとし。『目覚めよ。また目覚めよ。シオンよ、汝の力を添えよ。聖き都エルサレムよ。汝の美しき衣を着よ。割礼を受けざる者と汚れたる者とは今より後再び汝に入るべからざればなり。
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エルサレムよ、塵より立ち上りて身のあくたを払い去れ。身を起して座せよ。シオンの囚われたる娘よ、汝の首にまとえる縄を解け。
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主は「汝らは空しく己が身を売りしが、今は金銭によらずして贖わるべし」と言いたまえばなり。』
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まことに汝らに告ぐ、その集る日になりて、わが民はわが名を知り、また命を下す者がわれなることも知るによりて、
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かれらは言うべし『良き音ずれをわれらにもたらし、平和を布き、われらに善の良き音ずれをもたらして救いを宣べ弘め、またシオンに向いて「汝の神治めたもう」と告ぐる者の足は山の上にいと美しきかな』と。
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かくして叫びの声は聞えわたりて『去れ、汝らよ去れ。その所を出で去れ。不潔なるものにたずさわることなかれ。その中より出で去れ。主の器を持つ者よ、清くあれ。
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されど主は汝らの前に行き、またイスラエルの神は汝らの後にましますべければ汝ら急ぎて行くべからず、また逃げて行くべからず。
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見よ、わが僕は慎みてふるまうべし。高められほめそやされて甚だ高き所へ登るべし。
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多くの者汝を見て驚きし如く(その顔かたちは他の人よりもそこなわれ、その身の形は人の子らよりも傷つけられたれば)、
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かれもまた多くの国民を驚かすべし。王たちはいまだかつて教えられざることを見、いまだかつて聞かざることを考うるに至るべければ、わが僕の前に口をつぐむべし』と。
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まことに、まことに汝らに告ぐ、これらのこはとはみな御父がわれに命じたまいしごとくに成就す。かくて御父がその民に立てたまいし誓約は果されて、エルサレムは再びわが民の住むところとなり、かれらの受けつぐ地となるべし。」
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