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[0:1-2]律法の書と預言者の書およびその後に書かれた他の書物は、我々に多くの貴重な教えを残してくれているが、[0:3]そこに述べられている教訓と知恵のゆえに、我々はイスラエルをほめたたえるべきである。[0:4]ところで、それらを読む者は、自分自身が理解して賢くなるだけでは十分と言えない。[0:5-6]学問を大切にする者は、また、自らも語ったり書いたりして、一般の人々の役に立ちうる人でなければならない。[0:7-10]わたしの祖父イエススは、長年、律法の書と預言者の書と先祖たちの他の書物を読むことに専念した。[0:11]そして十分習熟した後、[0:12]教訓と知恵に関する書物を自分も書く気になった。[0:13]それは、学問を大切にする人たちが、その教訓と知恵をしっかりと把握して、[0:14]なおいっそう律法に適った生活ができるようになるためである。 [0:15]そこで読者にお願いする。[0:16-17]素直な心でこの書物を精読してほしい。[0:18-20]我々は、懸命に努力したのであるが、上手に翻訳されていない語句もあると思われるので、そのような個所についてはどうかお許し願いたい。[0:21-22]というのは、元来ヘブライ語で書かれているものを他の言語に翻訳すると、それは同じ意味合いを持たなくなってしまうからである。[0:23]この書物だけではなく、[0:24-25]律法の書それ自体と預言者の書および他の書物でさえも、[0:26]いったん翻訳されると、原著に表現されているものと少なからず相違してくるのである。 [0:27]エウエルゲテス王の治世の第三十八年に、[0:28]わたしはエジプトにやって来てしばらく滞在したが、[0:29]そのとき、かなり重要な教訓が記されている書物の写しを見つけた。[0:30]そこでわたし自身も、熱意と努力を傾けて、祖父の書を翻訳することが改めて必要であると考えた。[0:31‐36]そのとき以来、異国にあって勉学にいそしみたいと願い、更に、律法に適った生き方をしようとの志を強く抱いている人たちのためにも、本書を完成させて公にしようと、しばしば徹夜して、また、あらゆる知識を駆使して、この仕事に取りかかったのである。 [1]すべての知恵は、主から来る。主と共に永遠に存在する。
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浜辺の砂、雨の滴、 永遠に続く日々、 だれがこれらを数え尽くしえようか。
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天の高さ、地の広さ、 地下の海、知恵の深さ、 だれがこれらを探りえようか。
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知恵は、他のすべてのものに先立って造られ、 その悟る力も、永遠の昔から存在している。
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〔知恵の泉は、いと高き所にいます神の言葉、 知恵の歩みは、永遠の掟。〕
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知恵の根源が、だれに示されたであろうか。その巧みさを、だれが知りえたであろうか。
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〔知恵がもたらす知識を、だれが見たであろうか。知恵がもたらす豊かな経験を、 だれが理解したであろうか。〕
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知恵ある方はただひとり、いと畏き方、 玉座に座っておられる主である。
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主御自身が知恵を造り、 これを見て、価値あるものとされ、 造られたすべてのものの上に知恵を注がれた。
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主は、すべての人々に分に応じて知恵を与え、 主を愛する者には惜しみなくそれを与えられた。〔主を愛することこそ、輝かしい知恵。主は、御自分を示すために、知恵を分け与え、 こうして彼らは主を見るようになる。〕
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主を畏れることは、誉れと誇り、 幸せと喜びの冠である。
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主を畏れることは、心を楽しませ、 喜びと、幸福と、長寿をもたらす。〔主を畏れることは、主からの賜物、 それによって愛の道を歩むことができる。〕
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主を畏れる人は、幸せな晩年を送り、 臨終の日にも、主から祝福を受ける。
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主を畏れることは、知恵の初めである。知恵は、主を信じる人たちに 母の胎内にいるときから与えられている。
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知恵は、人々の間に揺るぎない基を据え、 人々は、幾世代にもわたってそれに信頼を置く。
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主を畏れることは、知恵に満たされること、 人々は、知恵の果実に陶酔し、
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彼らの家は、すべて望むもので満たされ、 そのすべての倉は、知恵の産物で満ちあふれる。
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主を畏れることは、知恵の冠、 平和の花を咲かせ、健康を保たせる。〔主への畏敬と知恵こそは、 平和をもたらす神の賜物、 神を愛する者に誇りは増し加わる。
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主はこれを見て、価値あるものとされた。〕 知恵は、知識と悟りを雨のように注ぎ、 知恵を保つ者の栄誉を高める。
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主を畏れることは、知恵の根源、 そこから生え出る枝は、長寿である。
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〔主を畏れることは、罪を退け、 その畏れを心にとどめる人は、 すべての怒りを遠ざける。〕
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不当な憤りには、弁解の余地がなく、 理不尽な憤りは、身の破滅を招く。
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辛抱強い人は、時が来るまで耐え忍ぶ。耐え忍んだ後には、気分が晴れて壮快になる。
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彼は語るべき時が来るまで、口を慎む。そうすると多くの人々は、 彼の思慮深さを伝え広める。
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知恵の倉には、知識に満ちた箴言がある。しかし罪人は、敬神の心を忌み嫌う。
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知恵を熱望するならば、 主の掟を守り通すがよい。主は知恵を豊かに与えてくださる。
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主を畏れることは、知恵であり、教訓である。主は、誠実と柔和を喜ばれる。
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主を畏れることをいとうな。二心をもって主に近づいてはならない。
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人々の前で己を偽るな。お前の口を慎むがよい。
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高ぶった思いを抱くな。さもないと、つまずいて恥をかく。主は、お前の正体を明らかにし、 会堂の中で面目を失わせる。なぜなら、お前は畏れを持たずに主に近づき、 心は偽りに満ちていたのだから。
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