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[9]生け捕りにすることなど、もってのほかで、考えただけでぞっとする!
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[10]それを怒らすほど勇気のある者はいない。 まして、それを征服するなど大それた話だ。 だれ一人その前に立ちはだかることができない。 だとしたら、だれがわたしの前に立てようか。
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[11]わたしはだれにも借りがない。 天の下にあるものはみな、わたしのものだ。
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[12]またレビヤタンには、手足と巨大な体にみなぎる、途方もない力がある。
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[13]だれがその厚い皮をはぎ、重なり合ったうろこの間に入れるか。
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[14]その鋭い歯は見るからに恐ろしい。
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[15-17]ご自慢の、うろこがびっしり重なり合ったよろいは、密封してあって空気も通さず、どんな物もそれを刺し通せない。
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[18]それがくしゃみすると、陽の光は霧ごしにいなずまのように光り、その目は火花のように輝く。
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[19]口は火を吐き、
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[20]鼻からは煙が出る。 かわいた藺草を燃やし、その上にかけた煮えたぎる釜から水蒸気が立ちのぼるように。
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[21]その息は炭火をおこし、口から炎がほとばしる。
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[22]首には途方もない力があり、行く先々でパニックを巻き起こす。
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[23]やわらかな脂肪太りでなく、肉は堅くしまっている。
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[24]心臓は岩のように堅く、まるでひき臼のようだ。
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[25]それが体を起こすと、勇者もおじけづき、恐怖に取りつかれる。
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[26]剣はおろか、槍や投げ槍、先のとがったもりも、その行く手をさえぎれない。
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[27-28]鉄もわらと変わらず、真鍮は腐った木のようだ。 矢もそれを追い払えず、投石器もわら同様に効き目がない。
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[29]棍棒も歯が立たず、それは飛んで来る投げ槍をあざ笑う。
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[30]腹は瀬戸物のかけらのように鋭いうろこでおおわれており、その巨体はローラーのように地面をならす。
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[31-32]それが興奮すると水を沸き立たせ、深い淵をかき混ぜる。 それが通ったあとには光るあわの筋が残るので、人はさぞかし、海が霜からできていると思うだろう!
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[33]これほど恐れを知らぬものは地上にいない。
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[34]それは、獣の帝王で、獣の中で一番いばっている。」
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