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神様はさらに続けました。
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「まだ全能者と口論したいのか。 それとも降参するか。 神のあらを捜す者よ、答えてみよ。」
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ヨブは神様に答えました。
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「私は少しの値打もない者です。 どうして答えることができましょう。 口に手をあてて黙り込むだけです。
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私はしゃべりすぎました。」
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神様は再びつむじ風の中から、ヨブに語りかけました。
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「さあ、男らしく立ち上がり、戦いに備えてかぶとの緒をしめろ。 わたしの質問に、答えてみろ。
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おまえは自分の正しさを主張しようとして、わたしのさばきを無効にし、わたしを罪人呼ばわりするのか。
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おまえは神のように強く、神のような大声を張り上げることができるか。
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そうだとしたら、おまえの尊厳と威光を身にまとうがいい。
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おまえの怒りを吐き出し、思い上がった者の上にまき散らせ。
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横柄な者をひと目でへりくだらせ、悪者をその場で踏みにじれ。
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彼らをちりの中に沈め、死者の牢獄につなげ。
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それができたら、自分の力で自分を救えるという、おまえの説に同意しよう。
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河馬を見よ! わたしはおまえを造ったように、河馬も造った! それは牛のように草を食べる。
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がっしりした腰と腹の筋肉を見よ。
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尾は杉のようにたれ、ももの筋はしっかり編み合わせてある。
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背骨は真鍮の管のようにまっすぐ伸び、肋骨は鉄の棒のようだ。
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それは、わたしが造ったものの中で飛びきり凶暴だ! だから、それを手なずけたいと思ったら、鋭い剣がいる。
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山々は最高の食べ物をそれに差し出す。 そこでは他の野獣もたわむれる。
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それは葦の茂みに隠れた蓮の下に横たわる。
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蓮がこれをおおい、川のほとりの柳がこれを囲む。
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河馬は川が荒れ狂っても騒がず、水嵩の増したヨルダン川が押しかぶさっても動じない。
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目つぶしをくらわせても、だれも捕まえることができない。 鼻に輪をつけ、引きずることもできない。
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[41:1]おまえは糸とつり針でレビヤタンをつり上げたり、舌に輪なわをかけたりできるか。
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[41:2]鼻に綱を通して、つなぎ止めたり、あごを大釘で刺し通したりできるか。
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[41:3]それは、打ちかからないでくれと、おまえに哀願したり、こびへつらったりするだろうか。
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[41:4]いつまでもおまえの奴隷になることを承知するだろうか。
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[41:5]それを、小鳥のようにペットにしたり、幼い娘の遊び相手としてあてがったりできようか。
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[41:6]漁師仲間はそれを魚屋に売るだろうか。
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[41:7]その皮を投げ槍で傷つけたり、頭にもりを打ち込んだりできようか。
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[41:8]頭に手をのせようものなら、そのあとの恐ろしい格闘のことがいつまでも頭にこびりつき、こりて二度と手出ししなくなる。
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