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おまえは、野やぎがどのようにして子を産むのか知っているか。 その光景を見たことがあるか。
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[2-3]それが身をかがめて子を産み落とし、体内の重荷から解放されるまでに、何か月みごもっているのか知っているか。
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その子らが野原で成長すると、親のもとを離れ、二度と帰って来ない。
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だれが野ろばを野生にしたか。
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このわたしが、それを荒れ地に放ち、住みかとして不毛の地を与えた。
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野ろばはにぎやかな町をきらい、追い手の叫び声を聞くのがいやなのだ。
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山や丘が彼らの牧場だ。 彼らはそこで、青い物なら何でも探す。
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野牛はおまえに気持ちよく仕えるだろうか。 おまえの飼い葉おけのそばに寄って来るだろうか。
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おまえは野牛を使って畑を耕せるか。 それは馬鍬を曳くだろうか。
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野牛は力が強いからといって、おまえは頼りにするだろうか。 野牛に、どこで働くかをかってに決めさせるだろうか。
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打ち場から穀物を運んで来させようと、使いに出すだろうか。
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だちょうは誇らし気にはばたくが、母親の愛は持ち合わせていない。
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地面の上に産んだ卵を、砂に暖めさせるだけだ。
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だれかに踏まれたり、野獣につぶされたりするのを忘れている。
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まるで自分の子でないかのように冷淡にあしらい、死んでもいっこうに気にしない。
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わたしがそれから知恵を奪ったからだ。
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ところが、それがいったん跳びはねて走りだすと、どんなに速い馬をも追い越す。
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おまえは馬に力を与えたか。 風になびくたてがみを、その首につけたか。
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馬をいなごのように跳びはねさせることができるか。 そのすさまじいいななきは天下一品だ!
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[21-23]それは地面を前足でかき、自分の力を誇る。 いったん戦場に出ると何ものをも恐れず、矢が雨あられと降って来ようと、光る槍と投げ槍が飛んで来ようと逃げ出さない。
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戦闘ラッパが鳴り渡ると、前足で激しく地面をかき、疾風のように敵陣へと駆けて行く。
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ラッパの鳴るたびにヒヒーンといななき、遠くから戦いの匂いを嗅ぎつける。 ときの声と、命令を伝える指揮官の怒号を聞いてこおどりする。
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おまえは、鷹がどのようにして高く舞い上がり、南方さして翼を広げるかを知っているか。
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鷲が崖の上に高くのぼって巣を作るのは、おまえの指図によるのか。
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それは崖の上に住み、自然の要害を住みかとする。
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そこから、はるか遠くにいる獲物をうかがう。
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それは死んだ動物を見つけて運び、ひなはその血を吸う。」
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