|
情欲をもって女性を見ないようにしよう。 わしは、そう自分の目と契約を結んだ。
|
|
[2-3]みだらな者に全能の神様が災いを下すことを知っているからだ。
|
|
|
神様はわしの行動を何もかもお見通しだ。
|
|
わしが嘘をつき、人を欺いたことがあるだろうか。
|
|
もちろん、神様はわしの潔白をご存じだ。
|
|
[7-8]わしは、神様の道を踏みはずしたことも、目に入るものを貪ったこともない。 そのほかの罪についても、全く身に覚えがない。 もし少しでもやましい所があったら、わしが種をまいて育てた作物をほかの者が刈り取り、わしの植えた木がみな根こそぎにされてもいい。
|
|
|
わしが人の妻を欲しがったことがあるなら、
|
|
殺されてもいい。 わしの妻が人の家に入り、その人が彼女の夫になってもいい。
|
|
情欲は恥ずべき罪、罰せられるべき犯罪、
|
|
何もかも焼き尽くす地獄の火だ。 それは、わしの植えたものをみな根こそぎにする。
|
|
少しでも召使たちを不当にあしらったことがあったら、
|
|
神様をまともに見ることなんかできるわけがない。 神様にそのことを問いただされたら、何とも答えようがない。
|
|
神様はわしを造り、また召使たちをも造ったからだ。
|
|
わしが貧しい人を傷つけ、未亡人を泣かせたことがあるだろうか。
|
|
腹をすかせた孤児に、食べ物を恵まなかったことがあるだろうか。
|
|
いつも、孤児を引き取って親身に世話し、わが子同様に育てた。
|
|
[19-20]寒さにこごえている者に着る物を与えず、その人を暖めるために羊の毛を刈らなかったことがあるだろうか。
|
|
|
孤児をだしに使って、もうけたことがあるだろうか。
|
|
こんなことを一つでもしていたら、腕がつけ根からもぎ取られ、肩の骨がはずれてもかまわん!
|
|
こんなことをするくらいなら、世界でいちばん恐ろしい神様にさばかれるほうがましだ。 威厳のある神様を向こうに回したら、それこそ、一片の望みもなくなってしまう。
|
|
わしは金を頼りにしたことがあるだろうか。
|
|
財産のあるなしを幸福の尺度にしたことがあるだろうか。
|
|
あるいは、空に輝く太陽を見、銀の道をそぞろ歩きする月を見て、
|
|
心ひそかに魅せられ、手を合わせて拝んだことがあるだろうか。
|
|
こんな行為も、裁判にかけて罰せられるべきだ。 わしがこんなことをしたのなら、天の神様を否定したことになるからだ。
|
|
わしは、敵が苦しむのを見て喜んだことがあるだろうか。
|
|
人をのろったり、復讐したりしたことなど一度もない。
|
|
召使にすきっ腹をかかえさせたこともない。
|
|
見知らぬ人でも追い返したりせず、だれが来ても気持ちよく迎え入れた。
|
|
わしは、アダムのように罪を隠したことがあるだろうか。
|
|
群衆におびえ、軽べつされることを恐れて、罪を認めようとせず、人の力になることをためらったことがあるだろうか。
|
|
わしの言い分を聞き、わしの立場を理解してくれる者はいないのか。 だれが何と言おうと、わしは正しい。もし、まちがっていたら、それを全能者に指摘してもらいたいものだ。 敵の起訴状が正当であることを、全能者にぜひ認めてもらいたいものだ。
|
|
わしはそれを、冠のように大事にしまっておく。
|
|
それから、自分が何をしたかを、包み隠さず神様に打ち明け、堂々と自分の立場を弁護したい。
|
|
[38-39]わしの田畑が、産物を盗んだ張本人としてわしを責めるなら、または、わしが小作人を殺して、彼らの収穫を奪い取ったことがあるなら、
|
|
|
小麦の代わりにいばらが生え、大麦の代わりに雑草がはびこるように。」 ここでヨブの答弁は終わりました。
|