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エリファズの再度の演説。
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「人は少しでも神様の役に立つだろうか。 最高の知恵者でさえ、自分の役に立つだけだ。
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あんたが正しいからといって、全能者は喜ぶだろうか。 あんたが完全だからといって、神様の得になるだろうか。
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罰を受けているのは、あんたが正しいからだろうか。
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とんでもない。 悪いからこそ、罰せられるのだ。 あんたの罪は底なしの沼だ!
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あんたは、着ている物をぜんぶ質草に取らなければ、困っている友人に金を貸さなかったのだろう。 そうだとも、彼らの骨までしゃぶったに違いない。
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のどが渇いている者に水を飲ませず、飢えている者にパンを与えなかったに違いない。
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ところが、権力者には欲しい物は何でもくれてやり、金持ちには好きな所に住まわせた。
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気の毒な未亡人を手ぶらで追い返し、みなしごの腕をへし折った。
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[10-11]だから今、突然の恐れに取りつかれ、暗やみと戦慄の波にのまれるのだ。
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神様は、天や星より高い所にいる偉大なお方だ。
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ところが、あんたは言う。 『だから神様は、わしのしていることが見えないのだ。 暗やみごしに、正しいさばきなんかできやしない。
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黒雲に取り巻かれて、神様には何も見えやしないんだ。 神様は、はるかかなたの空の上を、のんびり散歩しているだけさ。』
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[15-16]昔ながらの罪の道を歩いている者は若死にし、その人生の土台は押し流されることが、わからないのか。
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そんな連中は神様に言った。 『神様、じゃまだからどいてくれ! あんたがいたって、何の役にも立ちゃしない。』
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わしだったら、口が裂けてもこんなことは言わない。 彼らは、神様が良い物をいっぱい下さったことを忘れている。
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そこで今度は、正しい者が悪者の滅びるのを眺める番だ。 潔白な者は悪者をあざけり笑う。
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彼らは口々に言う。 『見ろよ。 敵の最後の一人が火で滅ぼされたぞ。』
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神様に口答えするのはよしたまえ! いさぎよく仲直りしろよ。 そうしたら、気が楽になるぞ。 まちがっていたことを素直に認めれば、神様のいつくしみがある。
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神様の教えに耳を傾け、それを心にたくわえろ。
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神様に立ち返り、いっさいの悪を閉め出せば、元どおり栄える。
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金銭欲を断ち切り、取っておきの黄金を捨てれば、
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全能者があんたの宝となり、神様が貴重な銀となるのだ。
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その時、あんたは神様の恵みを感じて喜び、神様を見上げる。
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祈れば答えがあるので、あんたは神様への約束をみな果たすようになる。
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望むことはすべて実現し、あんたの進む道には天の光がさす。
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たとい攻撃され、打ち倒されても、必ずまた高い地位に返り咲く。 神様は謙そんな者を救い、
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あんたのきよい手で、罪人をさえ助けるのだ。」
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