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ナアマ人ツォファルの演説。
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「もう我慢できん。 どうしてもあんたに言ってやりたいことがある。
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罪人呼ばわりされた腹いせに、わしに恥をかかせるつもりか。 そうなりゃ、こっちだって黙っていないぞ。
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あんたにもわかっているはずだ。 この地上に人が住むようになって以来、
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悪者が勝ち誇るのはつかの間で、不信心な者の喜びは一夜の夢だ。
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たとい、連中が思い上がり、肩をいからせて歩いても、
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糞のようにつまみ捨てられ、永久に滅びる。 彼を知る人たちは、どこへ行ったのかといぶかる。
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彼は幻のように消え失せ、
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友人も家族も、二度とその姿を見ることはない。
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子供たちは貧しい人に物乞いし、やっとの思いで負債を埋め合わせる。
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たとい彼がまだ若くても、その骨はちりに横たわる。
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彼は悪の楽しみを覚え、それを口の中でとかし、
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ゆっくり味わいながら、少しずつ飲みくだす。
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ところが、それは突然、腹の中で苦くなる。
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たらふく食べた利得も、吐き出さなければならない。 彼が食べた物を消化するのを、神様はお許しにならないのだ。
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それは彼を殺す毒となる。
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盗品を自分のものにして財産をふやすことはできない。
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労苦は報いられず、富も喜びを与えない。
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貧しい者を虐待し、彼らの家を差し押さえたからだ。 彼が元どおりになることはありえない。
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彼の目はいつも貪欲に燃えていたが、今はすっかり貧乏になり、彼の夢見てきたものは、みな飛び去った。
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彼は機会あるごとに盗みを働いたので、その財産はすぐになくなる。
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大臣風を吹かしている彼を、いきなり災難が襲う。 不幸な人たちは、寄ってたかって彼を食い物にする。
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彼が腹いっぱいになる寸前に、神様の怒りが下る。
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彼は追われ、ついに射止められる。
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矢を抜くと、光る矢尻が胆のうから出てくる。 彼は断末魔の苦しみで顔をゆがめる。
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彼の宝は暗やみの中に隠される。 燃えさかる炎が彼の持ち物をなめ、遺産をすべて焼き尽くす。
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天は彼の罪をあばき、地は不利な証言を並べ立てる。
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神様の怒りの前には、富も役に立たない。ただ踏みにじられてなくなるばかりだ。
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これが悪者を待ち受ける運命だ。 神様がそのようにする。」
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