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ヨブの返事。
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「いつまで、あんたたちはわしを悩ませ、こけおどしの論法で言いくるめようとするのか。
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もう十回も、わしが罪人だときめつけた。 そんなに容赦なくわしを手玉に取って、恥ずかしいと思わんのか。
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わしが悪いとしても、まだその事実を証明していないぞ。
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何もかもお見通しだと思っているらしいが、それなら、わしの落度を証明したらどうだ!
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いま言えることは、神様がわしを押し倒し、網で生け捕りにしたということだ。
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必死に助けを求めても、だれも相手にしてくれない。 声を限りに叫んでも、人間扱いしてもらえない。
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神様はわしの道を遮断し、光を闇に変えた。
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わしの栄光をはぎ取り、冠を取り上げた。
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わしはとことんまで打ちのめされ、虫の息だ。 もうおしまいだ。
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神様はわしを敵視し、わしに向かって怒りを燃やす。
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神様の送った軍勢は、わしのテントを十重二十重に囲む。
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神様は兄弟や友人たちまで遠ざけた。
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親族はわしを裏切り、友人もわしを見捨てた。
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家の者は、召使でさえ、わしを赤の他人のように扱う。 わしは外国人と変わりない。
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召使を呼んでも来ず、手をついて頼むしまつだ!
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妻や兄弟も、まるで知らん顔だ。
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年端もゆかぬ子供までが、ばかにする。 起き上がって話しかけようとすると、あざけり笑う。
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親友はわしを毛虫のように嫌い、手塩にかけてきた人たちも背いた。
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わしは骨と皮ばかりになり、かろうじて助かったのだ。
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お願いだ。 神様の怒りの手で打たれた、わしの身にもなってくれ。
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神様と同じように、わしをいじめないでくれ。 これだけわしの悩みを見れば、満足だろうが。
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[23-24]ああ、わしの訴えを鉄のペンで岩に書きつけ、いつまでも残せたらなあ。
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だが、わしは知っている。 わしを救うお方は生きておられ、ついには地上に降り立つのだ。
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この肉体が朽ち果てたのち、わしは新しい肉体で神様を見る。
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その時、神様はわしの味方になってくださるはずだ! そうだ、その時わしの目に映る神様は、見も知らぬお方ではなく、親しい友人であるはずだ! ああ、なんとすばらしい希望だろう。
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だのにあんたたちは、わしの刑があたかも確定したかのように、臆面もなくわしを責め立てる。
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いいか、警告しておくぞ。 そんな態度をとっていれば、あんたたちも罰せられることを忘れるな。」
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