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彼らは食べたり飲んだりし終わった時、眠りたくなった。彼らはトビヤを連れ出し、部屋の中へ連れて行った。
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トビヤはラファエルのことばを思い出し、魚の肝臓と心臓を入れておいた袋からそれらを取り出すと、香の灰の上に置いた。
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すると魚のにおいに妨げられたので、悪魔は上エジプトのほうへ逃げていった。ラファエルはすぐに追いかけて行き、そちらで悪魔をしっかりと縛りあげた。
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人々は部屋から外へ出て扉を閉めた。トビヤは床から起きあがるとサラに言った。「立ち上がりなさい。わたしたちに憐みと守りとをお加えくださるよう、主に祈り求めよう」
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サラが立ち上がると、彼らは、自分たちをお守り下さるようにと祈り求め始めた。トビヤは次のように語り始めた。「わたしたちの先祖の神よ、あなたとあなたのみ名とは代々限りなくほむべきかな。天とあなたの全被造物とは永遠にあなたをほめたたえよ。
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あなたはアダムを造り、彼を助けささえる者として彼の妻エバをお造りになり、そして彼ら二人から人類の子孫が生まれたのです。あなたは、『人が一人でいるのはよくない。彼のために彼に似た助け手を造ろう』とおっしゃいました。
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今わたしは邪淫のためではなく、真理に基づいてこの女をめとります。わたしと彼女を憐れんで、またわたしたちが一緒に年老いることができるようにしてください」
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彼らは一緒に「アァメン、アァメン」と言った。
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そしてその夜彼らは眠った。一方、ラグエルは起きあがると奴隷を自分のところに呼んだ。彼らは出て行って墓を掘った。
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彼は「トビヤが死んで、わたしたちは物笑いと非難の的になるだろう」と言ったのである。
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墓を掘り終えると、ラグエルは家の中にはいって妻を呼んで、
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言った。「女奴隷の一人をつかわして、彼が生きているかどうか見させなさい。もしも死んでいたら、だれにも気づかれないように彼を埋葬しよう」
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彼らは女奴隷をつかわしてあかりをつけ、扉を開いた。女奴隷は部屋にはいると、彼らが一緒に横になって眠っているのを発見した。
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女奴隷は外へ出ると、彼は無事に生きている、と彼らに教えた。
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彼らは天の神をほめたたえて言った。「神よ、清くくもりなき讃美によって、あなたをほめたたえます。人々が永遠にあなたをほめたたえますように。
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ほむべきかな、あなたはわたしを喜ばせ、わたしの予想によらず、あなたの豊かな憐みをわたしたちにかけてくださいました。
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ほむべきかな、あなたは互いに兄弟姉妹のない二人をを憐んでくださいました。主よ、彼らを憐み、守り、喜びと憐みをもって彼らの生涯を全うさせてください」
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それからラグエルは夜の明ける前に墓をうめるように奴隷たちに命じた。
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彼は妻にパンをたくさん作るように命ずると、家畜のほうへ行って二頭の牡牛と四頭の牡羊をひいてきて、それらを処置するように命じたので、準備が始まった。
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それから彼はトビヤを呼んで彼に言った。「あなたは十四日の間決してここを動かないで、ここにとどまってわたしのところで食べたり飲んだりし、これまで苦しみぬいてきたわたしの娘の心を喜ばせなさい。
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わたしの財産の半分を今すぐ受け取って、無事あなたの父親のもとへ行きなさい。別の半分は、わたしと妻が死んだ時に、あなたのものとなります。子よ、元気を出しなさい。わたしはあなたの父であり、エドナはあなたの母です。わたしたちはこれからのち永遠に、あなたとあなたの妻サラのそばにいます。子よ、元気を出しなさい」
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